2013 Fiscal Year Annual Research Report
プロスポーツリーグの労使関係 -2000年以降の国際的動向-
Project/Area Number |
25301006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川井 圭司 同志社大学, 政策学部, 教授 (50310701)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / プロスポーツ / 労使関係 / アメリカ / イギリス / オーストラリア / ニュージーランド |
Research Abstract |
25年度は26年度の計画を前倒しにする形で、アメリカを中心に調査研究を実施した。 まず、アメリカ・マサチューセッツ大学での共同研究では、プロスポーツの労使関係の動向をめぐる情報・意見交換の後、研究討議を行い、MLB、NFL、NBAおよびNHLのアメリカ4大リーグにおける労使関係の変容について、特に2000年以降に焦点をあてて法律学の視点から詳細な分析を行った。また、スミス大学では、プロリーグの労使関係について経済学からの研究討議を実施した。法学および経済学双方からの分析により、ロックアウトなどの労使紛争をめぐる反トラスト法のかかわりがより鮮明になった。さらに、セントルイス大学では、大学アスリートの労組設立の動向について議論し、また同大学ロースクールにおいて日本のスポーツ事情に関する講義を行い、参加者から有意義なフィードバックを得た。 他方、韓国での調査研究では、韓国野球委員会(KBO)事務局長および韓国プロ野球選手会顧問弁護士への取材を行い、労使関係の歴史的経緯と現状の課題について、議論した。 なお、オーストラリア・ビクトリア大学とアメリカ・ノバサウスイースタン大学からそれぞれ研究者を招へいし、スポーツ文化の国際比較の観点から、労使関係、その他日本的特徴を明らかにした。また、オーストラリア・モナッシュ大学のMatt Nichol氏との共同研究において、グローバル化がもたらす、日本プロ野球界の労使関係および海外移籍制度への影響について分析し、その研究成果をまとめた(Kawai & Nichol (2014), The transfer of Japanese baseball players to major league baseball: have Japanese ball players been internationalized?, In Internationalising Japan, Discourse and practice, edited by Breaden, Steele & Stevens, Routledge, pp.180-194.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
25年度は、27年度の計画を前倒しにする形で、アメリカでの実地調査を実施し、NFL、NBA、NHLにおいて生じた労使紛争の背景、労使の対応、法の介入をめぐる動向について、各分野の専門家等との研究を実施することで、当初の期待を超える情報や視点を得ることができた。他方、25年に、スポーツをめぐる体罰問題がにわかに浮上したことで、学術上も実務上もこれに追われるなど、想定外の研究環境が生まれた。その結果、本研究へのエフォートを削減せざるを得ない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、28年度に予定していたイギリスでの実地調査を中心に実施する。昨年までの実地調査において、イギリスの研究者をはじめ、選手会関係者など労使関係にかかわる実務家とのネットワークが拡大し、2015年のイングランド・ラグビーW杯の開催を前に、関連組織への取材、研究者との情報交換・研究討議を実施することに意義があると判断するに至った。2000年以降のプレミアリーグ、ラグビーユニオンなど、イギリスプロスポーツ界の労使関係について、情報を広く収集し、研究協力者の支援を受けながら分析を加えていく。またその際、アマチュア主義を1995年まで堅持し続けたユニオンの変容と労使関係の生成について着目したい。
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