2015 Fiscal Year Annual Research Report
プロスポーツリーグの労使関係 -2000年以降の国際的動向-
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25301006
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川井 圭司 同志社大学, 政策学部, 教授 (50310701)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プロスポーツ / 労使関係 / 国際比較 / 選手会 / アメリカ / 大学スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、日本プロ野球における移籍制度をめぐる変遷や労使の立場について、Monash大学のMatt Nichol氏と共同研究を実施し、国際的な観点から検討を行い、日本における労使関係の特徴を明らかにし、スポーツのグローバル化に伴う社会的な見方あるいは選手自身の価値観の変化について検討した。その研究成果を、Keiji Kawai and Matt Nichol, Labor in Nippon Professional Baseball and the Future of Player Transfers to Major League Baseball, 25 Marq. Sports L. Rev. 491, pp. 491-529 (2015) にまとめた。 また、8月に1か月間、渡米し、アメリカにおける大学アスリートの労働組合組織化の動向について、マサチューセッツ大学を中心に共同研究に従事した。アメリカでは、大学スポーツのうち、アメリカンフットボールとバスケットボールをめぐって1970年代から商業化が進んでおり、プロスポーツを凌ぐビックビジネスになってきた。この流れのなかで、NLRBは学生選手の組織に対して労働組合としての認可を与え、裁判所においては、大学スポーツにおけるアマチュア規定は、大学スポーツにより収益分配を不当にするものであるとして、反トラスト法違反との判断を下した。こうした動向の背景について、スポーツ法関連の実務家、研究者への取材を実施し、かつ研究者との共同研究を実施した。なお、当該研究については、川井圭司「プロ化するアメリカ・カレッジスポーツ ―ノースウェスタン大学フットボール選手の組織化(Unionization)が意味するもの―」同志社総合政策編『総合政策科学の現在』119-137頁(晃洋書房、2016年)にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカの大学スポーツの動向については当初、研究対象としていなかったが、労働者性を肯定する判断をNLRBが下したことで、対象を拡大する必要が生まれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年8月にMelbourne Law Schoolの客員研究員として、Hayden Opie教授、Stacey Steel教授との共同研究を実施する予定である。なお、この研究では、スポーツにおけるインテグリティ(賭博、八百長、ドーピングなどの不正行為の防止)の観点から、労使の取り組みについて日豪の比較を行う。加えて、Australia Rugby Unionおよび同選手会、Rugby Leagueおよびその選手会への取材を行い、これらの労使関係の現状を把握する。 また、9月から2か月間、Monash大学のMatt Nichol氏を客員研究員として迎え、野球、ラグビー、サッカー、バスケットボールに関する労使関係の動向について比較研究を実施する予定である。
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