2015 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの教員養成機関における実証的なエコヘルス教育研究と研究ネットワークの構築
Project/Area Number |
25301007
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 隆一 信州大学, 教育学部, 特任教授 (10115389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
友川 幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30551733)
西 正明 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50218103)
村松 浩幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80378281)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | エコヘルス教育 / 環境教育 / 健康教育 / 開発途上国 / 教員養成機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①ラオスで開発したモデルカリキュラムと教材を活用し、教員養成校での実証研究を行い、その導入の可能性と課題を検討することを目的とした。さらに、これまでの研究の応用・発展として、アジア諸国(バングラデシュ・ネパール)において、②各国の健康や環境に関する信念、習慣、文化的規範、望ましいと考えられている行動様式の解明に取り組むとともに、③教員養成機関における健康・環境教育の実態とニーズ(教員養成の学生の健康・環境に関する知識や意識、態度、実践の現状を含む)を把握し、また、アジア諸国での比較研究を行うことで、④地域や国に固有の社会・文化的特性に適したエコヘルス教育の在り方について理論化し、提案する。さらに、その上で、⑤アジア諸国でのエコヘルス教育・研究ネットワークを構築することを目的とした。3年目となる27年度は、ネパールの教育省、保健省及び地方の教員養成校等で調査を行った。その結果、ネパールでは、多様な宗教、文化的背景、経済格差があること、さらに教員養成の制度自体も未だ創成期にあることが分かった。しかしながら、ネパールでは、平成27年の4月に大規模な地震に見舞われたこともあり、データ収集の時期が大幅にずれ込んでしまったため、収集データの分析を平成27年度内に終えることができなかった。平成28年5月現在、引き続き調査データの回収を行っている。なお、平成27年の11月には、これまでの研究で得られた知見を、WHO主催の学校保健専門家会議において、アジア、アフリカの開発途上諸国の学校保健行政に関わる行政官や、本研究のテーマの隣接領域である健康教育・公衆衛生の研究者に共有することができた。さらに、平成27年の11月末に行われたアジア地域の行政官を対象とした学校保健研修においても、本研究で得られた知見を紹介し、健康及び環境に関する同様の課題を持つ開発途上国の行政職員・研究者らが高い関心を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、調査研究の予定地であったネパールにおいて、年度当初に大地震が発生した。想定外の大規模な地震の発生の影響により、予定よりも調査の時期が大幅に遅れてしまい、収集データの分析を年度内に終わらせることができなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる平成28年度は、まず、平成27年度に実施したネパールでの調査データの回収を終え、分析を早急に手掛ける。その後、これまでのアジア諸国での研究で得られたデータを比較することで、地域や国に固有の社会・文化的特性に適したエコヘルス教育の在り方の理論化を目指す。具体的には、1年目から3年目に行った研究の結果に基づき、アジア地域や研究対象となった国々の固有の社会・文化的特性にエコヘルス教育の在り方を理論化し、高等教育機関等における教育プログラムを提案する。さらに、アジア諸国でのエコヘルス教育・研究ネットワークの構築を目指して、ラオス、バングラデシュ及びネパールの研究者、教育省、保健省の関係者を招き、研究の成果報告会を開催し、その機会を活用して、ネットワークの構築と強化を図る。同時に、アジア学校保健研修においてアジア諸国の学校保健研究者、行政職員等に報告を行い、当該研究の活性化とネットワークのさらなる強化を図る。
|
Causes of Carryover |
予定していた海外調査において、為替レートの変動等(円安から円高に転換)による影響を受けたため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の請求額と合わせて、今年度の海外調査の費用に使用する予定である。
|
Research Products
(8 results)