2015 Fiscal Year Annual Research Report
華北農村訪問調査による近現代中国農村社会経済史像の再構築
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25301029
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (90272939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祁 建民 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (70448819)
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90269572)
古泉 達矢 金沢大学, 法学系, 准教授 (90724831)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経済史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年4月~2016年3月の本研究課題に関わる研究成果は、①「華北農村訪問調査報告(11)-2015年9月、河北省・山西省の農村」(『金沢大学経済論集』第36巻第2号、2016年3月)、②「中華民国前期冀東地区豊潤県3ヶ村における農村経済」(『金沢大学経済論集』第36巻第2号、2016年3月)にまとめられている。すなわち、①は、主に河北省と山西省の複数の農村において老人たちから個人史・家族史を通じて1949年前後の農村経済に関わる話を聞いた内容を整理したものである。特に、今回の調査では、村の幹部や村民たちとの信頼関係が深まったと実感できたことは今後の聞き取り調査を進める上で極めて重要な点である。また、②は、北京市近郊農村などに次いで農村経済が発展していたと思われる河北省東部の農村(豊潤県東鴻鴨泊・米廠村・蕉家庄)について主に文献資料を用いて脱農化・零細農化などの動向を明らかにすると同時に、蕉家庄では基本的に商品作物を栽培せず、零細農家は出稼ぎによって家計を維持していたのに対して、米廠村では綿花栽培が非常に盛んで、地主経営や富農経営が見られたが、同じく綿作地の東鴻鴨泊では米廠村と比べると、綿花の作付率は低く、大規模経営農家の戸数が少なく、一方、米廠村の小作地の大部分が村外の地主によって所有されていたのに対して、東鴻鴨泊の一部の地主が村外にも小作地を所有していたことから、小作農として農業に従事していた米廠村と村外の土地をも買い取って地主となっていた東鴻鴨泊とは間接的ながら経済構造としては表裏一体の関係あったことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、北京において文献資料を収集し、河北大学の全面的な協力を得て河北省保定市内の複数の農村において聞き取り調査を実施することができたことから、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
農村で聞き取り調査を行う上で全面的な協力を得ている河北大学と保定市近郊農村政府及び村民との信頼関係が構築されつつあるので、2016年度はより一層多くの村民からやや詳細な話を聞くことが可能になるであろうと考えている。
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Causes of Carryover |
2016年12月に開催予定のシンポジウムに中国からの招聘者人数を当初の計画よりも増やすため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年12月に開催するシンポジウムでは、中国から招聘する人数を当初の計画よりも増やすことにしており、「次年度使用額」をこれに当てる。
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Research Products
(3 results)