2015 Fiscal Year Annual Research Report
クリエイティブ産業の海外進出に関する実証的研究:異文化ゲートキーパーに着目して
Project/Area Number |
25301035
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
松井 剛 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (70323912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲田 祐一 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (80521286)
鈴木 智子 京都大学, 経営管理大学院, 特定講師 (20621759)
上原 渉 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (30515060)
大竹 光寿 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (40635356)
山下 裕子 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (90230432)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | クリエイティブ産業 / 国際マーケティング / 異文化ゲートキーパー / クールジャパン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、2件の現地調査を行った。また研究会を実施した。 平成28年2月に、タイ・バンコクにおいて、日本食レストランの事業者(富士レストラン、ハチバンラーメン)や日本産マンガの翻訳出版社(ボンコック)、アニメ・コミック・ゲーム関連商品の販売チェーン店(アニメイトバンコク店)、コンビニエンスストアチェーン(ファミリーマート)などに対する聞き取り調査である。また、日本食レストランで実際に食事してフィールドワークを行った。 平成28年3月に、アメリカ・ボストンおよびニューヨークにおいて現地調査を行った。ボストンでは、日本のポップカルチャーに造詣が深いMITのイアン・コンドリー教授や、ハーバード大学のテッド・べスター教授と、われわれの研究プロジェクトについての意見交換を行った。また、ニューヨークでは、日本食レストランの事業者(大戸屋)への聞き取り調査を行った。また、日本食レストランで実際に食事してフィールドワークを行った。 以上の現地調査の準備や調査データについての議論のために、研究会を開催した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、平成27年度では、タイ(新興国)とアメリカ(先進国)における日本産クリエイティブ産物の進出状況について調査した。平成25年度はインド(先進国)とフランス(先進国)、平成27年度はシンガポール(新興国)を調査してきた。これらの国々は、申請時に提出した研究計画調書の「研究計画・方法」で挙げた調査対象国のほぼすべてである。計画的に調査対象国を選定してきたため、異文化ゲートキーパーについての深い知見が蓄積されてきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成28年度には、(1)海外消費者に対する調査、(2)異文化ゲートキーパーに対する聞き取り調査、(3)成果発表の3つを行う予定である。 (1)海外消費者に対する調査:日本人からは違和感がある「偽物」に見える日本産クリエイティブ産物(例えばカリフォルニアロールなど)について、現地消費者がどのように感じているのか、調査を行う。これまでは事業者に対する調査を行ってきたが、それを補完するために、それらを消費する人々に対する調査を行う。調査サイトとしては、タイ・バンコクを候補として考えている。これまで調査した国の中でもバンコクは、食、マンガ、アニメなど多様な日本産クリエイティブが普及しており、消費者に対する調査の成果が上がる可能性が高いからである。 (2)異文化ゲートキーパーに対する聞き取り調査:平成27年度まで実施してきた異文化ゲートキーパーに対する調査も引き続き行う。(1)の調査出張の際にも、(2)についての調査も合わせて行う。また、必要に応じて、これまで調査していない国や地域に対する調査も実施する。 (3)成果発表:過去3年間と平成28年度の成果に基づいて、異文化ゲートキーパーという概念を提案する論文を文化社会学で著名な査読誌『Poetics』に投稿する予定である。その他、American Sociological Associationなどの国際学会に論文を投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
平成27年度の予定では、現地での異文化ゲートキーパーに対する聞き取り調査に加えて、彼らに対する質問票調査を行う予定であった。しかし平成27年度に実施した調査や研究会での議論を通じて、彼らではなく消費者に対する調査を行うべきだという結論に至った。海外の消費者に対する調査では、リサーチ会社への支払い費用等がかかるため、当初予定の平成28年度予算だけではまかなえない恐れがある。そのため平成27年度の予算の一部を平成28年度に使用することとした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地消費者に対する調査を行うために、リサーチ会社への費用支払いに使用する予定である。質問票の現地語翻訳はバックトランスレーション、パネルの抽出、質問票のウェブ化、回答の依頼、非回答者への督促、データのクリーニングなどの費用が発生する。
|
Research Products
(30 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 「おもてなし」経営の時代2015
Author(s)
鈴木智子
Organizer
標準化と品質管理 近畿地区大会2015
Place of Presentation
メルパルクOSAKA(大阪府大阪市)
Year and Date
2015-10-27 – 2015-10-27
Invited
-
-
-
-
[Presentation] 流行語を創る人々2015
Author(s)
松井 剛
Organizer
第65回日本商業学会全国研究大会
Place of Presentation
香川大学(香川県高松市)
Year and Date
2015-05-31 – 2015-05-31
-
-
-
-