2013 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの社会的困窮者支援に関する先進地域間比較研究:就労連帯所得と社会連帯経済
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25301043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福原 宏幸 大阪市立大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20202286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 康美 東日本国際大学, 福祉環境学部, 教授 (00406000)
花田 昌宜 (花田 昌宣) 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 社会的包摂 / 社会連帯経済 / 生活困窮者支援 / フランス / アクティベーション |
Research Abstract |
平成25年度は、予備的調査期間と位置づけ、第1に、フランスの就労連帯所得(RSA)、社会参入・職業参入政策、社会連帯経済についての文献研究をおこなった。これにあたって、8月17日、12月7日、2月2日の3回の研究会を開催した。 第2に、これらの研究課題を明らかにするにあたって重要な文献の翻訳に取り組むことにした。フランス政府研究機関「貧困と社会的包摂国立観測センター」の2011-12年報告『経済危機、労働市場そして貧困』(2013年)である。これによって、フランスにおける社会的排除の現状、さらにこの問題への政府の取り組みの概要を理解することとした。 第3に、2014年3月10日―14日の5日間、フランスにおける現地調査を協同で実施した。ヒアリング調査の対象は、政府社会的包摂政策担当者Matthie Angotti氏、パリ県社会連帯経済担当課長Boissiera氏、欧州社会連帯経済推進本部代表Jeantet氏、社会的企業全国組織UREI代表、労働者協同組合SCOP本部、さらに、社会的企業4社、地域でのアウトリーチ活動による若者支援を行っている「非行防止クラブ」、さらには参入支援を受けている当事者3名にも短時間ではあるがヒアリング調査を実施した。 これらの調査を通して、社会参入・職業参入に対する施策と社会連帯経済がどのように重なり合いつつ実施しされているかが、かつそれらの政策による生活困窮者の包括的な支援策の概要が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた文献調査が一定進んだこと、また、重要文献の翻訳を通して研究課題に対するフランス政府の取り組みの枠組みが体系的に明らかになったことがまず挙げられる。さらに、共同で行ったフランス現地調査を通して、政府の包摂政策と社会連帯経済推進政策の全体像をほぼ把握することができた。また、そのもとで、これらの事業を担う社会的企業の動きについても、一定把握することができ、今後の調査に向けた手ごたえを感じているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の調査研究の成果を踏まえて、平成26年度は、それぞれの研究者が担当する都市圏(パリ、リール、ナントの都市圏)についてのヒアリング調査を重点的に実施する。また、引き続き、定例の研究会を開催し、フランス政府や欧州全体の動向にも注目しつつ、フランスのアクティベーション政策と社会連帯経済の研究を深めていきたい。さらに、それぞれの現地調査をレポートに取りまとめ、調査研究がどこまで進んだかを確認しつつ、最終年の調査にに向けた課題も明らかにしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額として、73,102円が生じた。もともと予算配分が初年度に多く充当しており、2年目の海外調査の一部に繰り入れることを予定していた。 したがって、この次年度使用額は、海外調査旅費の一部に当てられる。
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