2013 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地生態系はどこまで水不足に耐えられるのか?マルチスケールでの脆弱性評価
Project/Area Number |
25302001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
王 権 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50402235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水永 博己 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20291552)
楢本 正明 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10507635)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境動態 / 水資源 / 乾燥地 / 評価 / 砂漠生態系 / 脆弱性 / リーモトセンシング / 水動態 |
Research Abstract |
本研究は、乾燥地域異なるスケールにおける水収支解析により、砂漠の生態系サービスを維持するための限界水要求量と水供給量のバランスを体系的に解析するものである。すなわち、水環境勾配に対する生態系サービスの反応をフィールド実験により明らかにし、供給量とのバランスから生態系衰退のリスクを評価する。さらに、リモートセンシングと統合し、環境変動に対する砂漠生態系の脆弱性のリアルタイム評価を目指す。 平成25年度は中国ジュンガル盆地の中国科学院新疆地理生態研究所阜康フィールドステーション敷地内に、60m×60mの固定調査地を設定し、調査地内の植生(Tamarix chinensis Lour.)および土壌調査、自動開閉式チャンバーシステムによる地表二酸化炭素と水分収支交換測定と地表面の分光反射測定を行った。さらに、10m間隔の各メッシュ交点において土壌サンプリングを行い、土壌水分量、電気伝導度、pH、土壌微生物量等を測定した。固定調査地の代表的な供試木6株を選び、樹液流システム(SakurataniとGranier)を設置し、異なるスケールでの水収支連続測定(5月~10月)を行った。 さらにこのプロットから北に代表的な砂漠植物(Haloxylon ammodendron)を100m×100mの固定試験地も設置した。ここでも樹液流システムのほか渦相関システムの設置による連続測定を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は本研究課題の初年度であり、主な目的は調査地の選定と整備、一部の測定を始めることであった。この一年間の研究によって、主な目的は達したが、厳しい環境の中で、様々な原因、トラブルの連続により質の高いデータの収集は不十分であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は質の高いデータ収集を目指すため、自動連続モニタリングのほかフィールドキャンペーンを企画しており、異なるスケールでの水収支測定を中心に行っていく予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の4月と8月に行った調査の旅費と謝金は大学運営費から支出されたため、余剰金が生じた。 本年度の6月に計画しているフィールドキャンペーンの旅費、謝金として使用予定。
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