2013 Fiscal Year Annual Research Report
北米域での高時間分解能オーロラ観測と電波観測を軸とした脈動オーロラ変調機構の研究
Project/Area Number |
25302006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三好 由純 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (10377781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 龍峰 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90462671)
尾崎 光紀 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (70422649)
海老原 祐輔 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (80342616)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脈動オーロラ / 高時間高分解能観測 / 微細構造 |
Research Abstract |
本課題では、脈動オーロラの発生機構の解明を目的として、北米のサブオーロラ帯、オーロラ帯において、オーロラの高速撮像観測とVLF波動観測を行い、従来にないオーロラとプラズマ波動の高時間分解能観測を行うものである。 本年度は、CMOSデジタルカメラを導入し、光学観測システムの開発と校正試験を行った。また、簡易のサーチコイル受信器の開発も行い、キャンペーンベースで光学、電波同時観測が可能な体制を確立した。 2014年1月に、これらの開発した装置を米国・アラスカ州Poker Flat Research Rangeに設置し、光学、VLFの同時観測を実施した。その後、光学観測については、インターネットを介した日本からの遠隔制御によって3月までの連続観測を行い、データを取得した。現在、データを回収しているところであるが、予備的な解析からはオーロラの微細構造の発達等が明瞭にとらえられているものがあり、本光学システムの有効性が実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の実施計画である、光学観測システムの確立と初期観測については、インターネットを介した日本からの遠隔制御システムも含めて、所期の計画どおりに開発が進められている。一方、時刻校正に際して、GPS受信の不具合が発生するなどの問題点も明らかになっており、次年度以降の観測システムの改修に反映させていく予定である。本格的なデータ解析はこれからであるが、予備的な検討により、従来よりも速い時間スケール、小さい空間スケールでの現象が確認されており、平成26年度においてデータ解析を進めていく予定である。また、オーロラ光学データの画像解析手法についての研究も進め、論文として成果を発表するとともに、第14回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会において優秀講演賞を受賞した。さらに、コーラス波動と電子との非線形波動粒子相互作用に関するシミュレーション研究も実施しており、コーラス波動の振幅変調によって、降り込み電子の高周波変調構造を作り出せる可能性を指摘した。
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Strategy for Future Research Activity |
観測システムの基本的な構成については、平成25年度の研究によっておおむね確立しており、本年度はこのシステムを用いた観測を継続する。観測を行う場所については、平成25年度同様の米国・アラスカ州もしくは、サブオーロラ帯であるカナダ・アサバスカを検討しており、現象の発生頻度や人工衛星観測との共役性を考慮して決定していく。また、平成25年度に取得されたデータの解析を進め、特に脈動オーロラの内部変調である数Hzから数十Hzでの輝度変動に注目した解析を行う。数十Hzの輝度変動を引き起こすメカニズムは、現在特定されていないが、昨年度行ってきたシミュレーション研究を発展させ、振幅変調やコーラスエレメント間隔を変化させることによって、脈動オーロラの内部変調を作り出せるかどうかを検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の米国・アラスカでの観測機材の輸送経費について、実際の貨物の積戻しが平成26年度となったため、平成25年度の経費を繰り越した。 平成25年度より繰り越された経費を用いて、米国・アラスカからの機材の積戻し輸送を実施する(平成26年4月25日現在、輸送完了)。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Stereoscopic determination of all-sky altitude map of aurora using two ground-based Nikon DSLR cameras2013
Author(s)
Kataoka, R., Y. Miyoshi, K. Shigematsu, D. Hampton, Y. Mori, T. Kubo, A. Yamashita, M. Tanaka, T. Takahei, T. Nakai, H. Miyahara, and K. Shiokawa
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Journal Title
Ann. Geophys.
Volume: 31
Pages: 1543-1548
DOI
Peer Reviewed
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