2014 Fiscal Year Annual Research Report
中規模都市・農村連携による食品残渣利用:ダナン市の社会変化と持続可能性
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25303006
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
加藤 尊秋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20293079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門上 希和夫 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60433398)
安井 英斉 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70515329)
乙間 末廣 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (90124338)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 環境政策 / 環境技術 / 食品残渣 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、交付申請に沿って以下を実施し、ダナン市域における伝統的・自然発生的な食品残渣回収網について、昨年度以来実施してきた以下の3点の研究をさらに前進させた。 ①現状把握と社会変化-物質フロー連動モデル構築 ②社会経済の将来シナリオ作り ③食品残渣リサイクル網の活用のための代替案作り ①と②に関し、とくに、食品残渣の供給源として、ベトナムの小売業において重要な位置を占めているにも関わらず、既存研究がほとんど存在しない伝統的市場に着目し、食品残渣および有機性廃棄物の排出量と組成、および、店舗の責任者による食品残渣分別への態度を調べた。ダナン市、および、比較対象としてのハノイ市において、それぞれ5箇所の市場を選定し、各市場について10業種(それぞれ原則3店舗)の調査を行った。これにより、各業種の食品残渣排出原単位(12種類の組成別)を明らかにし、さらに、食品残渣の分別に対する店舗責任者の態度を選択実験法等を用いて分析した。③に関し、ベトナム政府の社会発展計画を整理するとともに、市民の中でリサイクル網活用の気運を高める方策として環境教育に着目し、ダナン市内の小学校3校を対象として教育状況の実態調査を行った。この調査では、4年生および5年生を対象に追跡調査を行い、廃棄物処理に対する知識や態度の変化と学校での活動との関係を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要な課題である次の3点について、先述のように、研究を進めることができた。 ①現状把握と社会変化-物質フロー連動モデル構築 ②社会経済の将来シナリオ作り ③食品残渣リサイクル網の活用のための代替案作り 物質フロー連動モデル構築に必要な要素のうち、養豚への利用に代わる食品残渣処理方法の検討、および、食品残渣処理方法に応じた環境負荷の見積りについて、ベトナムでの現地調査の準備に時間を要し、予定した研究の一部が平成27年度実施となった。これについては、平成27年度の早い時期に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、研究の最終年度であり、ダナン市域から排出される食品残渣の活用方法について、今後を見据えたシナリオを比較し、結果のとりまとめを行う。特に、以下の点に着目する。 1.食品残渣利用に関する代替案の評価 (1)食品残渣排出者:養豚への食品残渣活用を続けるためには、異物混入のない質の高い食品残渣を十分な量供給することが必要である。このために、平成26年度までに実施した現地調査(市場の小売店等)のデータをさらに詳細に分析し、質の高い食品残渣分別のためのしくみを検討する。 (2)食品残渣利用者:経済や社会の変化とともに、本研究を実施している3年間(さらに、本研究に先立つ当研究チームの現地調査を含めると過去6年間)の間に、食品残渣利用者による残渣利用の考え方に変化が生じている可能性がある。この点について調査を行うことで、社会の変化が食品残渣利用に与える影響を実証的に確認でき、今後の食品残渣利用シナリオ作りを効果的に行うことができる。 2.持続可能な食品残渣利用政策の探求:現状のように多くの一般家庭や食品関係事業者が参加する食品残渣の活用体制を今後も続けて行くためには、今までよりも意識的に、環境保全面でのこの仕組みの意義を市民に知らせる必要があることが、平成26年度の調査で明らかになった。このために適用可能な政策について検討する。中でも、児童や生徒に対する環境教育の可能性を重視して検討を行う。
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Causes of Carryover |
社会変化-物質フロー連動モデル構築のために必要な要素のうち、養豚への利用に代わる食品残渣処理方法の検討、および、食品残渣処理方法に応じた環境負荷の見積りについて、ベトナムでの現地調査の準備に時間を要し、平成26年度中には、正確な調査を行うための用意が調わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
養豚への利用に代わる食品残渣処理方法の検討については、平成27年4月現在で現地調査の準備がほぼできており、平成27年度の早い時期に実施する。また、食品残渣処理方法に応じた環境負荷の見積りについても、平成27年度の早い時期に行う。
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[Presentation] Expression of Acidic Failure for the Methane Fermentation in Food Waste Digestion2014
Author(s)
Ngo, V. A., Vuong, T.H., Le, V.C., Nguyen, T.H., Terashima, T. and Yasui, H.
Organizer
9th IWA International Symposium on Waste Management Problems in Agro-Industries
Place of Presentation
Kochi, Japan
Year and Date
2014-11-24 – 2014-11-26
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