2015 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおけるデング熱媒介蚊の集団遺伝学的研究:飛翔パターンと感染経路
Project/Area Number |
25303020
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 幸三 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (80634435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
大村 達夫 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30111248)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デング熱 / ベクター感染症 / 集団遺伝 / 蚊 / フィリピン |
Outline of Annual Research Achievements |
マニラ都市圏に分布する300家庭に蚊成虫採捕器設置し,デングウイルスを媒介するネッタイシマカ成虫を527個体採捕した。これら個体のDNA多型解析および幾何学的形態測定解析により空間集団遺伝構造を調査した。遺伝構造の自己相関分析の結果,蚊の交流範囲や蚊の飛翔範囲が5km未満であることが示された。また,都市圏広域に渡る長距離の遺伝子流動は幹線道路に沿った経路で起きている可能性が示された。STRUCTURE解析の結果,マニラ都市圏の中に5つの遺伝集団が混在していることが示された。また,オス個体よりもメス個体の方が地域間交流が活発に行われていることが示唆された。ターラックでは18家庭からネッタイシマカが採捕され,各都市内の生息分布に地域的偏りがあることが明らかにされた。また,乾季(1~2月)にはデングウイルスを媒介しないイエカ属が多く,逆に雨季(8~9月)ではネッタイシマカが増加するという,蚊の種構成に明瞭な季節的消長が明らかになり,雨季に大流行するデング熱の季節変化をモデル化する上で重要な知見が得られた。また,乾季に採取した個体からデングウイルスは検出されなかった。マニラ都市圏における全604行政区における洪水強度と土地利用区分に関するGISデータを整備し,これらを説明変数として,行政区間のデング感染率(人口当たり感染数)の違いを記述する回帰木モデルを作成した。決定係数0.82という高い精度で実測されたデング感染率を説明するモデルが構築され,洪水がリスク因子としての寄与率が高いことも示された。また,2015年12月にインドネシア・バンドンにおいて,国際シンポジウム“Overview of Facts In The Field Againts Mosquitoes, Dengue Virus, Human And Problems in Bandung City”を開催し,気候変動や社会変動に伴うデング感染リスクに関する研究発表や意見交換を行った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] The Ecology of Dengue in Bandung, West Java, 2016-20172016
Author(s)
D. Agustian, L. Faridah, A. Berbudi, F. Rinawan, K. Watanabe
Organizer
The 3rdJSPS-AASPP/GRENE-EcoHealth joint International Symposium on Development of International Network on Health Risk Assessment in Urban Area
Place of Presentation
Balli・Indonesia
Year and Date
2016-03-11 – 2016-03-11
Int'l Joint Research
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