2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25303027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
神谷 秀博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20183783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 則和 工学院大学, 工学部, 教授 (40262555)
塚田 まゆみ 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術専門員 (70376870)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PM2.5 / バーチャルインパクタ / 固定発生源 / 希釈器 / 微粒子 / 廃棄物燃焼プラント / 石炭燃焼プラント |
Research Abstract |
マレーシア最大規模の廃棄物焼却場、中国上海地域にある石炭火力発電所、タイの重油燃焼系のプラント、及びフィンランドのバイオマス精油所での測定を行うため、共同研究先との折衝及び現地調査を行った。マレーシアの廃棄物燃焼プラントでのサンプリングは、マレーシア工科大学のM. Rashid教授の研究室のメンバーの協力により実施し、プラントの排ガス処理設備で煙道中でのPM2.5のバーチャルインパクターによる分離捕集、分離捕集したPM2.5含有排ガスを希釈器に接続し、凝縮性粒子を含むPM2.5の捕集、凝縮成分のインピンジャーでの捕集システムを設置し、測定が可能であることを確認し、実際に煙道中でのPM2.5のサンプル捕集には成功した。一方、凝縮性粒子を含む粒子、及び凝縮成分の捕集は、測定の後半で廃棄物焼却プラントがトラブルを起こし、10日間操業が止まったため、凝縮液の捕集のみに成功した。サンプリングを行ったサンプルについては、成分、粒度分析を行い、廃棄物起源の凝縮性成分の分析を行い、カドミウムなど重金属成分の存在が確認されたため、実験室で重金属を含むモデル蒸気を生成させて、希釈凝縮実験を行い、凝縮性粒子が生成することを確認した。 中国については、清華大学のJiang准教授、浙江省集じん技術研究所のYao博士の協力により石炭火力発電所等での計測の計画策定は行ったが、政情不安もあり、次年度での実施とした。また、タイの重油燃焼プラントでの測定も、連携研究者のウイーン大学Szymanski教授の協力により、2014年1月~2月に行う計画で航空券も手配したが、政情不安により次年度に延期した。政治情勢に左右されるため、次年度には欧州での計測を検討するため、フィンランドのバイオマス精油プラントについて、Aalto大学、Fortum社を訪問し、製油所の下見を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マレーシアの計測では、設備を設置して目的とした煙道中でのサンプリング、希釈器を用いた凝縮性粒子のサンプリングが十分可能であることを確認したが、計測開始前にトラブルによる10日間のプラント操業停止が起きた。また、中国、タイについてもサンプリングを行うプラントが確定し、測定が可能であることを連携研究者による確認や、研究代表者の下見等により確認したが、本格的な測定、サンプリングのため分担者、学生等のスタッフを連れての来訪が中国、タイとも困難になった。しかし、基本的な実験室でのモデル排ガスを用いた測定系など装置の確認は完了し、測定場所も明確になっているため、26年度で、十分目的とした海外プラントでのサンプリングと原因成分の分析など当初目的を達成するための基本準備は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
中国については、連携研究者の清華大学Jiang准教授と今年5月に北京で打合せを行い、中国の複数のプラントで、Jiang准教授が設計したPM2.5分離捕集装置と、申請者が開発した装置の性能比較実験を行うことで合意している。また、連携研究者のYao博士のアレンジにより浙江省の石炭燃焼プラントでの煙道及び凝縮性粒子を含むPM2.5の捕集実験を、Yao博士所有のナノ粒子域まで測定可能なシステムを利用して計測などを7月下旬以降に浙江省に分担者、学生スタッフを同行して実施することを同意している。併せて、8月にフィンランドヘルシンキ郊外にあるバイオマス精油所を訪問し、具体的な測定個所を決め実施計画を具体化する。タイ、マレーシアについては測定場所も確定しているため、タイについては政情の安定化を確認し、マレーシアについては今年度後半に再度同じプラントでの測定を実施する。以上の燃料種等のことなるプラントで採取したPM2.5サンプルを有機無機各微量成分の詳細な分析を行い、原因成分の同定と、発生機構の解明を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タイでの計測を2014年1月~2月にかけて計画し、連携研究者のウイーン大学Szymanski教授のアレンジと最新鋭の測定装置の貸与もできるなど、ほぼ準備が完了したが、タイ・バンコクの政情不安が発生し、深刻な事態が予測されたため、タイでの2013年度中での訪問、計測を断念した。タイでの計測のための旅費、滞在費を2014年以降で実施するため、次年度使用額とした。 タイでの計測は、引き続き政情安定化するまで様子を見て実施するが、同様に政情不安のあった中国で当初予定より計測箇所を増やして実施(二個所を想定)のプラントでの計測を実施するため、使用する予定である。
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