2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25303030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 久郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60178639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 裕一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70333862)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 資源開発 / 低品位炭 / 自然発火 / オンサイト試験 / インドネシア / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
石炭は世界の多様な地域に賦存し,その埋蔵量の約50%は亜炭や褐炭等の低品位炭であり,経済性などの理由からその改質技術やガス化発電などへの利用が注目されてきた。一方,低品位炭は自然発火し易いという欠点を有する。 平成26年度の本研究では,中国・内モンゴル自治区の石炭鉱山において採掘直後の褐炭を遼寧省・阜新市の同系列の石炭鉱山サイトに短時間に運搬し,遼寧工程技術大学の教員及び学生の協力を得て石炭堆積層の発熱特性および温度推移に関する現地でのオンサイト試験を実施した。本研究の特長は、堆積させた最大1tonの石炭を恒温室に入れ、その内部雰囲気温度を制御した環境下で石炭の温度上昇を現地で測定したことである。 試験には,耐火性を考慮した自然発火実験用恒温室および自然発火実験用容器3種(25cm,50cm,100cm)を設置し,恒温室内の温度を一定に設定し,採掘直後の褐炭約16kg,120kg,1tonの石炭の温度上昇に関わるオンサイト試験を実施した。 試験では、空気雰囲気温度,低品位炭の温度分布を一定時間間隔で収録し,約1日から2週間の連続データを取得した。堆積量が多いほどサイロ中心部の温度上昇が遅れるものの,自然発火の限界温度が低下することが測定結果から確認された。試験に使用した石炭試料を用いて工業分析および示差熱分析を九州大学において実施し,オンサイト試験結果との比較を考察するための基礎データを測定した。26年度後半期間において,数値シミュレータを利用した低品位炭の堆積層の発熱過程および自然発火の測定結果と数値シミュレーションとのヒストリマッチングを行い,数値モデルを確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の現地オンサイト試験を遼寧工程技術大学の協力を得て中国・内モンゴルの褐炭試料を用いて実施した。この試験には,遼寧工程技術大学で製作した自然発火実験用恒温室と3種の大きさを有する自然発火実験用容器を現地で製作し,学生の補助員によって低品位炭の温度上昇に関わるデータ収集を実施できたことから,概ね90%の研究目的を達成することができたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においては、海外のオンサイト試験で共同研究を実施している中国およびンドネシアの大学教員と最終的な数値シミュレーション研究を実施し,その温度上昇局線のヒストリーマッチングを実施し,低品位炭の自然発火メカニズムと温度上昇防止策について検討する。
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Research Products
(4 results)