2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナシ属植物の伝播にともなう果実形質および病原菌の共進化過程の解析
Project/Area Number |
25304007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 教授 (40230015)
及川 彰 山形大学, 農学部, 准教授 (50442934)
片山 寛則 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50294202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナシ / 遺伝資源 / イラン / 中国 / アメリカ / イタリア |
Research Abstract |
本研究では、ナシにおいて特に起源地から西への伝播において、起源地である中国西南部,二次センターのイラン,栽培化されたイタリアとアメリカで野生および半野生ナシの調査を行い、将来日本で栽培されているナシへの新規機能性果実形質の付加、病害抵抗性の導入に資するための遺伝資源評価を行うことを目的として研究を行った。イランにおいては、カスピ海沿岸沿いのギーラン州、イラク隣接地帯のコーデスタン州、さらにイラン農務省の収集するイラン在来品種の調査を行った。地域による果実形質の多様性が確認された。北部のギーラン州では、ニホンナシやチュウゴクナシのようなアジア系と非常によく似た形質を持つ個体が確認され、一方、コーデスタン州においては、アジア系とよく似た形質を持つ個体は全く確認されず,多数の野生種P.syriacaの個体が確認されるなど地域による差がはっきり見られた。さらに収集されたイラン在来品種には、乾燥耐性に強いものやアジア系との雑種個体と思われるもが存在していた。また中国新疆において、コルラ香梨の系統について調査した。イタリアとアメリカにおいては、それぞれ世界各地から収集された系統や野生種について、主に成熟特性やデンプン蓄積特性、単為結実性、Brown spot病罹病性の調査を行った。結果、野生2種において,新たに単為結実性が見られるものを見いだした。Brown spot病については、約30品種系統についてスクリーニングを行った。またメタボローム解析の結果,アスパラギン酸,スレオニンなどのアミノ酸やグリセレート,リンゴ酸,フマル酸、クエン酸,クロロゲン酸などの成分において、東洋系と西洋系のナシを区別しうる物質候補として得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とした地域、場所について調査を行うことが出来た。しかし初年度ということにより、準備や時期について、不十分だった所もあり,今後の検討を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
果実の成熟時期の判定は、野生種及び西洋系品種においては難しい点があり、初年度はその点において、改善点が必要と思われた。現地の研究協力者と連携をとって,成果を上げる努力をする必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サンプルのゲノムシークエンス解析や成分分析に使用する予定であったが、サンプル調整に時間がかかり25年度中には間に合わなかったため。 海外で採取したサンプルのゲノムシークエンス解析とメタボローム解析の試薬、キット、カラム代などに使用する
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