2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナシ属植物の伝播にともなう果実形質および病原菌の共進化過程の解析
Project/Area Number |
25304007
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 教授 (40230015)
片山 寛則 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50294202)
及川 彰 山形大学, 農学部, 准教授 (50442934)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / アメリカ / イタリア / 中国 / ナシ属植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナシにおいて特に起源地から西への伝播において、起源地である中国西南部から栽培化されたヨーロッパでその途中の野生および半野生ナシの調査を行い、将来日本で栽培されているナシへの新規機能性果実形質の付加、病害抵抗性の導入に資するための遺伝資源評価を行うことを目的として研究を行った。今年度は、政情不安の点から調査が難しい地域もあり、イタリアとアメリカにおいて、それぞれ世界各地から収集された系統や野生種について、調査を行った。主として病害抵抗性について大規模なスクリーニング調査を行い、イタリアとアメリカ両国の協力機関が有する遺伝資源について、アメリカUSDAにおいては,計約400品種、野生種、系統について、イタリアボローニャ大学においては計約200品種について、セイヨウナシBrown spot病、黒斑病、赤星罹病性のスクリーニングを行った。結果、セイヨウナシBrown spot病においては、西洋系のみならずアジア系の品種、野生種でもかなりの系統が罹病性であり、病原菌の蔓延次第では、全世界に被害が拡大する可能性を見いだした。果実形質については、野生種1種において,新たに単為結実性が見られるものを見いだし、さらに西洋系の多数の品種で単為結果性が認めた。一部野生種については、一次代謝成分のメタボローム解析を行い、コリンなどの物質で野生種間で著しい差が認められること、またポリフェノールについても西洋系とアジア系野生種で特異的な成分が認められた。これらの成分は、ナシ属植物の世界での発展を考える上で、指標物質になるものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とした地域、場所について政情不安等の理由で今年度調査を行うことが出来なかった地域もあった。しかし、病害抵抗性・罹病性の評価および成分解析で成果をあげており、来年度は、それをさらに充実させていく予定である。概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
病害抵抗性・罹病性の評価および成分解析で成果をあげており、来年度は、より連携を深めながら、さらに遺伝資源のスクリーニングを充実させていく予定である。
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Causes of Carryover |
一次産物およびフェノール物質のメタボローム解析を行う予定であったが、予定数のサンプルを海外で得ることが出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
改めてサンプルを採取し、メタボローム解析を行い、その際のカラム、カートリッジ,キット代に使用する予定である。
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