2014 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの森林を支える菌根菌ネットワークの生態系機能の解明
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25304026
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松田 陽介 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (30324552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木佐貫 博光 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00251421)
谷川 東子 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (10353765)
奈良 一秀 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60270899)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イチヤクソウ / 菌根菌 / DNA / ベニタケ属菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
菌根菌から炭素源を得て生育する無葉緑性の植物を菌従属栄養植物という.菌従属栄養植物は菌根菌に対して高い特異性を示し,限られた系統の分類群と共生する.緑色性のイチヤクソウ(ツツジ科)は一部の炭素源を菌根菌から得る部分的菌従属栄養植物である.中部・近畿地方に生育する本種個体群では,外生菌根菌のベニタケ属菌が根に優占的に定着することが示唆された.これはイチヤクソウがベニタケ属菌に対して高い特異性をもち、他の分類群より選好的に定着したためである可能性がある。本研究では,イチヤクソウの自然分布を反映させた広い分布域における本種の菌根菌選好性を調べることを目的とした.そのために,日本,韓国,台湾にわたる3ヵ国5地域から34個体のイチヤクソウを採取し,分子解析によって主要な菌根菌を推定した.採取した各個体の根系を実体顕微鏡下で観察し,根の表皮細胞内に菌糸コイルの形成が確認された部分を菌根として切り出した.菌根断片からゲノムDNAを抽出し,菌特異的プライマーを用いてITS領域をPCR増幅,クローニング,RFLPタイプ分けし,代表サンプルの塩基配列をシークエンサーにより決定した.得られた配列は97%閾値で分子操作的分類群(MOTU)に類別し,BLAST検索した.現在までの解析で,主にベニタケ科,イボタケ科などの外生菌根菌が検出され,地域・個体 によって異なる菌根菌が優占する傾向があった.得られるデータにもとづき,イチヤクソウの分布と優占した菌根菌の系統関係について議論する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外における調査地から順調に試料を採取し,解析を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
未採取の海外調査地から試料を採取するとともに,得られた試料の解析を進め,データを取り纏め,論文作成につなげたい.
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Causes of Carryover |
予定していた海外調査が先方との調整で不調に終わったことと,新規解析機器の導入による解析実施の遅滞のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き海外調査の調整を進めるとともに,採取試料の新規機器を用いた解析を進める
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