2015 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの森林を支える菌根菌ネットワークの生態系機能の解明
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25304026
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松田 陽介 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (30324552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木佐貫 博光 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00251421)
谷川 東子 国立研究開発法人 森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (10353765)
奈良 一秀 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60270899)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 菌根共生 / 森林 / 林床植物 / 混合栄養植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の根に共生する菌根菌の菌糸が植物個体間を菌糸によりつなぐ構造を「菌根ネットワーク」と呼び,森林生態系内における炭素などの物質の融通し合うという知見である.国内外を問わずこのネットワークの機能的意義が検証された例は少ないが,陸上植物の8 割が菌根菌と共生する事実を考えると,植物における養分獲得の一機構である可能性が高い.本研究では,多様な森林生態系の林床に生育する遍在種(イチヤクソウ)の菌根共生系の実態を,東アジアをフィールドとして解明することを目的とした. 今年度はイチヤクソウ根系内に分布する周辺樹木の根系に形成された菌根の分子同定を行い,その分類群とイチヤクソウに共生する菌根菌の分類群との比較を行った.その結果,いずれの植物においてもベニタケ科菌類の関与が強く示唆されたが,その分類群,とりわけ各根系で優占した分類群は両者の間で異なっていた.このことは同所的に分類学的に類似する菌根菌が分布していても,イチヤクソウ根系には特定の菌群が関わることを示唆する.また,菌根ネットワークの機能的意義を調べるための野外調査を実施したが,解析に足る試料数が得られなかったため次年度に再度挑戦する.得られた知見は今後論文として取りまとめる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験,研究自体は計画通りに進めたものの,野外操作実験が想定外の影響で当該部分の成果を得ることができなかった.そのため次年度に再度挑戦する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の問題を踏まえて,今年度は調査地選定を慎重に実施し,試料数を増やすことで最終的な解析用試料の確保に努め,当初目的を達成するようにする.
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Causes of Carryover |
本年度の野外調査が失敗に終わったため,今期当該研究を終了せず,再度その調査を遂行するための費用を計上した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
野外調査費用,室内分析費用,関連成果公表費用を主に使用を予定している.
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[Presentation] Mycorrhizal specificity of the partially mycoheterotrophic Ericaceae Pyrola japonica (Ericaceae).2015
Author(s)
Matsuda Y, Uesugi T, Chen C-F, Huh MK, Tanikawa T, Hashimoto Y, Yagame T, Selosse M-A, Murata M, Nara K
Organizer
Eighth International Conference on Mycorrhiza (ICOM8)
Place of Presentation
Flagstaff, Arizona, USA
Year and Date
2015-08-03 – 2015-08-08
Int'l Joint Research
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