2013 Fiscal Year Annual Research Report
EU諸国における小売対応型の青果物産地マーケティングの展開構造の解明
Project/Area Number |
25304034
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
李 哉ヒヨン 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60292786)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 誠喜 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90225095)
森嶋 輝也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (30391486)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | POs in CMO / F&V Marketing / Secondary Cooperative / Merges of Cooperatives / Private Standard and PB / Large scale Retailers / Supply Chain Building |
Research Abstract |
本年度(2013)は、EU-27への青果物供給基地の役割を果たしている南欧諸国とりわけスペイン、イタリアの現地調査を行い、近年、強まりつつある小売チェーンの市場支配に対応し、産地マーケティングにおける出荷組織間の連携・提携の動きを捉えた。 SpainのANECoopとItalyのAgrintesa, APOfruitがそれに該当する出荷組織である。これら出荷組織は、EU全域に展開する大手小売企業が要求する、大規模出荷ロット、Private Standard、Private Label(Brand)に対応するために、共通のQuality Control Systemを整備した上で、個々の出荷組合の連携もしくは合併を繰り返していることが確認できた。但し、零細な出荷組合の連携や統合の仕組みは、個々の出荷組合の出資による2次組合の設立(ANECoop)とともに、大規模合併組織への統合(Agrintesa)の二つがあり、前者はマーケティング機能の集中による営業力の強化、後者は出荷ロットや品揃えによるバーゲニングパワーの確保が各々の組織の目的の違いであることが分かった。ちなみに、出荷組合間の連携と統合の地理的範囲は、分散型(ANECoop、APOFruit)と集積型(Agrintesa)に区分できる。 また、フードチェーンにおける産地サイドのポジショニングが川上すなわち農産物の加工部門の導入へとシフトしている中で、出荷組合と民間投資企業が提携した4th野菜製品の製造・販売事業に取り組んでいる実態も明らかになった。ItalyのFrutagelはその典型に当たる事例である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた、SpainやItalyの現地調査が計画とおりに遂行されたほか、研究テーマの検証に値する事例からは多くの関連データの提供を受けることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、EU-27のうち、北欧諸国とりわけGermany、Holland,UK等を調査対象国として取り上げる。現地調査は、南欧諸国(Spain, Italy)と違って、①青果物における小売チェーンのPB展開が強まる理由を探ること、②産地出荷組織の戦略的産地マーケティングにおける小売チェーンのPB対応の実態と問題を明らかにすることを目的にして行う予定である。調査対象としては、METRO(ドイツ)、TESCO(イギリス)などの大手チェーン型小売企業と、これらの小売企業との間に取引実積を有する出荷組織(数カ所)を予定している。現地調査は、9月下旬に研究メンバー全員の参加の下で行われる予定であり、必要に応じて年度内の補足調査を考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、スペインとイタリアへの渡航による現地実態が調査が行われた。このうち、研究分担者の一人は、本務の事情によりイタリアへの渡航ができなかったために、次年度使用額が生じている。 平成26年度は、次年度使用額の発生を受け、海外調査における訪問先国数および滞在期間を延長することにより、研究費の有効かつ適切な利用に努める予定である。
|
Research Products
(6 results)