2015 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア特異に流行するHCVゲノタイプ6の多様性、感染拡大様式及び病原性の解明
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25305006
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
阿部 賢治 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (60130415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | B型肝炎 / C型肝炎 / HBVゲノタイプ / HCVゲノタイプ / ウイルス変異株 / 肝癌 / エマージング感染症 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナムにおける肝癌の成因について解析を加えた。対象となったのは、総数196例のベトナム人肝癌患者である。外科的に切除された成人の新鮮肝癌組織を材料にして、肝炎ウイルス感染の有無をPCR法で検索した。 196例中HBV DNAが148例(76%)、HCV RNAが31例(16%)で肝癌組織中に検出された。これに対し、コントロールとして調べた無症候性キャリア群(非肝癌患者群)24例(16歳から79歳:平均49歳)では、性差が1:1であった。重要なのは、肝癌群で血中のHBsAg/HBV DNAが陰性であっても、肝内HBV DNA陽性を示したoccult Bの症例が18/48例(37.5%)で存在した事実である。これに対して血中anti-HCV/HCV RNA陰性の165例では、全例で肝内HCV RNA陰性であった。このoccult Bを加えると、ベトナム人の肝癌発生要因としてのHBVの関与は、196例中163例(82%)にも及んだ。 検出されたHBV遺伝子のpre-S1/S2領域のシークエンス検索の結果、pre-S2領域におけるウイルス遺伝子の部分欠損が43/129例(33%)で観察されたのに対し、無症候性キャリア群では1/19例(4.2%)のみであった(p<0.05)。 HBVのゲノタイプを調べることが出来た肝癌群99例では、ゲノタイプB4(51例:51.5%)とC1(44例:44%)と大半を占め、次いでB1(1例:1%)。B2(3例:3%)であった。 以上の成績から、HBVとHCVの関与が否定された成因不明の肝癌(非B非C型肝癌)が196例中11例(5.6%)で存在した。病理組織学的には、11例全例で肝硬変を伴っていると共に、非癌部では門脈域におけるリンパ球を主体とする慢性活動性炎症反応が出現していた。この病理所見から見ると、何らかのウイルスの関与が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)