2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗蚊唾液抗体価をバイオマーカーとしたマラリアベクターコントロールの評価法開発
Project/Area Number |
25305007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 栄人 金沢大学, 薬学系, 教授 (10296121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 裕之 自治医科大学, 医学部, 教授 (10173816)
都野 展子 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (60295102)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マラリア / 疫学調査 / インドネシア / AAPP |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシア政府は,2012年11月-2013年4月の間, 蚊忌避剤が含有した蚊取り線香(SR)のマラリア感染率低下効果を調べるために, 三日熱マラリア感染地域であるスンバ島で大規模フィールド介入試験を実施した. 本研究は, 我々が独自に発見したハマダラカ唾液タンパクAAPPを用いて介入試験期間の試験地域住民(SR群 vs Placebo群)のAAPP抗体価の変動を調べ,マラリア感染率との相関関係を解明することを目的とする. [材料と方法] ハマダラカ唾液タンパクAAPPならびに各種マラリア抗原(PfCSP, PvCSP, PfMSP1, PvMSP1)は大腸菌発現系を用いて精製し, ELISAの抗原タンパクとして使用した. 介入前(2012年10月), 介入中(2013年2月)ならびに介入後(2013年4月)に採取された血清サンプルを500倍に希釈した後, 抗原と反応させ各種IgG抗体価を検出した. [結果] 調査した全サンプルの抗AAPP抗体価の平均は雨季に入ってから有意に上昇し, 雨季が終わると有意に減少した. 各マラリア抗原に対する抗体応答も雨季が終わると減少傾向になった. マラリア感染者と非感染者で抗AAPP抗体価を比較したところ, 雨季を経た感染者で有意に増強していた. 他方, 熱帯熱マラリア原虫感染者では季節の有無に関わらず, 非感染者と比較して高い抗PfCSP抗体価と抗PfMSP1抗体価を保っていた. 蚊の多い沿岸部の住人と蚊の少ない山側の住人の抗体価を比較した場合, 蚊の多い沿岸部住人で抗AAPP抗体価が高い傾向にあった. しかしながら, 各期と各地域でSR群とPlacebo群のそれぞれの抗AAPP抗体価を比較した場合, 両群で有意な差は生じなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析予定の全3,000サンプルについての抗AAPP抗体価と抗マラリア原虫抗体価について測定を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、個別のサンプルに対して住居との関連を調べる。さらに現在も継続中の蚊取り線香介入試験の効果と蚊の唾液AAPP抗体価を検証するために、追加サンプルの解析を実施する。
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Causes of Carryover |
26年度に使用予定であった実験室の改修工事が27年度にずれ込んだために、必要機器の購入、搬入を27年度に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新実験室に必要機器を設置する。
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Research Products
(1 results)