2014 Fiscal Year Annual Research Report
ケニア、中国貴州省その他の地域における真菌・放線菌感染症原因菌の採集とその資源化
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25305012
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五ノ井 透 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (30134365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 哲宏 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (40598702)
矢口 貴志 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60361440)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 真菌 / 放線菌 / 国際研究者交流 ケニア / 国際研究者交流 中国 / 国際研究者交流 インドネシア / 感染症 / 遺伝子資源 / 微生物資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
【ケニア国HIV陽性患者に感染するクリプトコッカス属菌の疫学調査】 ケニア国に滞在しエイズ関連医療に携わる米国UCSFの医師およびケニア中央研究所(KEMRI)の真菌研究者グループと共同で、ケニアのエイズ患者に感染し、死因の大きな割合をしめるクリフトコッカス属菌について疫学的調査を行った。100症例におよぶ事前調査を基に、患者および患者環境中から菌を採取し、分子生物学的に菌の出所・系統を解析した(MultiLocus Sequence Typing、 MLST解析)。 【ケニア国の主要作物を汚染するカビ毒および原因真菌に関する研究】 ケニア・ナイロビ市のケニア中央研究所から当センターに半年に渡って研究者を迎え、トウモロコシ、小麦、米、稗などケニアの主食をカビ毒で汚染する原因真菌について分子生物学的、形態学的、生理・化学的解析を行った。日本には希な多くのアスペルギルス属菌等が単離され、ケニアの食物汚染の原因菌の一部であると推測された。またケニアの伝統的地ビールを汚染するカビ毒産生菌、およびカビ毒による汚染の程度を測定し、論文として発表した。 【ケニア国の皮膚真菌症原因菌の調査】 同じく、ケニア国の皮膚真菌症患者から採取された病因菌を分子生物学的、形態学的に解析し、現地の医療に役立つ情報として継続して収集している(継続中)。 【インドネシア大学との病原真菌共同研究】 インドネシア・ジャカルタ市のインドネシア大学・医学部/病院の微生物学教室から研究者を招き(費用は他の外部資金による)、インドネシアの臨床研究に適した分子生物学や形態学を中心とした菌の同定法を共同で開発し、論文として発表した。 【中国貴州省・貴陽医学院・微生物学教室との病原放線菌に関する共同研究の推進】中国貴陽医学院・微生物学教室を訪れ(旅費は先方負担)、現地の患者より採集した菌の分子系統解析を進めるなど、病原放線菌に関する共同研究を推進した(継続中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【ケニア国HIV陽性患者に感染するクリプトコッカス属菌の疫学調査】 本研究の結果、驚くべきことに、違う地域に住む患者から採取したクリプトコッカス属菌の多くが、同一のMLST型を示した。今後さらにサンプル数を増やして解析を継続し、原因を調査する予定である。 【ケニア国の主要作物を汚染するカビ毒および原因菌に関する研究】 本研究の結果の一部は、論文として発表し、またこれら情報を現地の人々のQOLの向上に貢献すべく、ケニア研究者および地元新聞、インターネットを介して発信・提供した。 【ケニア国の皮膚真菌症原因菌の調査】 本研究における関しては、医療に役立つ情報を継続して収集の途中で有り、今後、現地の医療に役立てたい。 【インドネシア大学との病原真菌共同研究】 医療情報として必須のヒト病原真菌の同定を行うために、高価な機器や試薬を使えない現地でも役立つ、真菌の形態学的同定手法を論文として発表し、今後の同国との国際共同研究の基盤を形成した。 【中国貴州省・貴陽医学院・微生物学教室との病原放線菌に関する共同研究の推進】 ヒト病原放線菌に関する論文を共同で発表するなど科学的業績を上げ、同院との病原放線菌に関する共同研究基盤を確立した
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Strategy for Future Research Activity |
【ケニア国HIV陽性患者に感染するクリプトコッカス菌の疫学調査】ケニア現地の真菌研究者および米国UCSFの医師グループと共同で、今後もエイズ患者のクリプトコッカス症にかんするサンプル数を増やして解析を続け、同属菌の中でも同一グループの菌がヒト・クリプトコッカス症原因菌となるメカニズムに迫る。また現地の研究者を本センターに招聘し、分子生物学的手法、形態学的手法を伝授・共有して国際共同研究を推進する。 【ケニア国の主要作物を汚染するカビ毒および原因菌に関する研究】本研究におけるカビ毒汚染原因菌の解析は継続中であり、これまでに報告されていない特異で珍しい菌が見つかりつつある。今後も解析を進め、新種あるいは現地に特有の汚染原因菌として報告する。 【ケニア国の皮膚真菌症原因菌の調査】本研究に関しても、これまでに報告されていない特異で珍しい菌が見つかりつつある。今後も解析を進め、現地の医療に役立つよう論文等で報告する。 【インドネシア大学との病原真菌共同研究】 形成した同国との国際共同研究基盤をもとに、エイズ患者の多いインドネシア医療の現場でカンジダ症に加え、アスペルギルス症、ペニシリウム症など現地で注目されていないヒト病原真菌についても研究を進め、現地の医療に貢献する。 【中国貴州省・貴陽医学院・微生物学教室との病原放線菌に関する共同研究の推進】 形成した国際共同研究基盤をもとに、中国の医療の現場ではまだ認知度が低いために注目されていないヒト病原放線菌について研究を進め、現地の医療に貢献したい。
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Causes of Carryover |
テロの勃発などケニアの政治情勢が不安定であり、日本からの渡航を見合わせた。一方、共同研究推進のためケニアからの研究者を招聘したが、幸い、他の外部資金が当たりこれを使用することができた。中国貴陽医学院の訪問も計画していたが、同大学の招待を受け、受け入れ側に旅費を負担して貰うことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ケニアおよびインドネシア訪問、および国際共同研究推進のための実験に用いる消耗品等に使用予定である。
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[Journal Article] Gordonia iterans sp. nov., isolated from a patient with pneumonia.2014
Author(s)
Kang Y, Ming H, Gonoi T, Chen Y, Cao Y,Wang Y, Cheng J, Koga T, Mikami Y, Li W-J
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Journal Title
Int J Syst Evol Microbiol
Volume: 64
Pages: 3520-3525
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Environment as a Potential Source of Fusarium spp. Invasive Infections in Immunocompromised Patients2014
Author(s)
Moretti ML, Busso-Lopes A, Moraes R, Muraosa Y, Mikami Y, Plinio Trabasso P, Tominaga K, Reichert-Lima F, Lyra L, Gonoi T,Taguchi H, Schreiber A, Katsuhiko Kamei K
Organizer
Infectious Diseases Society of America annual meeting
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
2014-10-08 – 2014-10-12
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