2015 Fiscal Year Annual Research Report
北部ベトナムにおけるコミュニティを基盤とした網羅的下痢症の疫学的研究
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25305031
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山城 哲 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00244335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 真弘 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30448500)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 下痢症 / 疫学 / 住民基盤 / コホート研究 / 熱帯微生物学 / 感染症 / ベトナム / 起炎微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナムでは、年間10,000-15,000の5歳未満の小児が下痢症により命を落とすとされているが、体系的な下痢症起炎微生物・発生頻度等の解析は少ない。そのため北部ベトナムナムディン省ヒエンカイン地区住民を無作為に抽出し(約300家屋、1,660人)、それを対象に広範な下痢起炎微生物の分布状況の把握、下痢症危険因子の解明を試みた。解析は進行中であるが、同地区では1年間に研究対象住民の約19%が下痢症を経験する事が示唆された。対象地区における下痢症とその起炎微生物との関連を明確にするために、同じ対象者から無作為に479人を選別し、採取した通常便(非下痢性便)中の下痢原性微生物の分布を調査した。その結果、ヒエンカインコミューン対象住民における非下痢性便中の下痢原性微生物は、ロタウイルス、ノロウイルス、下痢原性大腸菌(DEC)、クロストリジウムディフィシール(CD)、赤痢アメーバ、ジアルジア、クリプトスポリジウム、がそれぞれ3.5%、5.6%、8.4%、7.6%、0%、1.7%、2.3%であった。いずれも無症候性感染または感染回復期である可能性が推定された。一方、対象者の下痢症サンプルは、1,198検体が集積され解析が進められた。まだ解析中のものもあるが、同サンプル中の下痢原性微生物の分離頻度は、ロタウイルス、ノロウイルス、下痢原性大腸菌(DEC)、クロストリジウムディフィシール(CD)、赤痢アメーバ、ジアルジア、クリプトスポリジウム、がそれぞれ14.7%、7.4%、15.5%、11.7%、3.2%、1.9%、1.2%であった。その結果、対象群と比較して下痢症群はロタウイルス、下痢原性大腸菌、赤痢アメーバの検出率が高いことが示唆された。一方、ヒエンカイン地区における解析では、約20%の家屋が牛、豚、家禽を飼育しているが、ジアルジア感染者の割合は家畜保有者に多い事が統計学的に示され、ジアルジア感染症における危険因子の一つとして、家畜の関与が強く示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)