2013 Fiscal Year Research-status Report
最大および極大クリーク抽出アルゴリズムの高効率化と応用
Project/Area Number |
25330009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 悦次 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (40016598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若月 光夫 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30251705)
西野 哲朗 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (10198484)
伊藤 大雄 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50283487)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 最大クリーク / 極大クリーク / NP完全問題 / 多項式時間的可解性 / 分枝限定法 / 列挙 / 計算機実験 / データマイニング |
Research Abstract |
典型的なNP完全問題である最大クリーク問題を効率良く解決可能とする方法として,従来よりも一層緩やかな条件付けの下において多項式時間的実行可能性を保証するアルゴリズムを開発し,理論的評価を与えた. すなわち,節点数nの一般グラフにおいて,最大次数Δが3.177d lg n 以下 (dは非負定数) であるとの条件を満たしているならば,これに対する最大クリーク問題はO(n^{1+d })なる多項式オーダで解決可能とするアルゴリズムを与えた.更に,この節点次数に対する条件付けは,全節点を対象とせずとも,隣接2節点において次数が小さい節点における次数に対してだけ同様の条件が成立していれば多項式時間的可解性が保証されることも明らかにした.(なお,本アルゴリズムは,計算量評価を別とすれば,任意の一般グラフに対して正しい解を与える.) これは,極大クリークをO(3^{n/3})時間で全列挙する最適(optimal)アルゴリズムCLIQUES(E. Tomita 他, Theoretical Computer Science, 2006年)を基としてこれまでに提唱してきた同様のアルゴリズムの一層の改善結果であり,より広くの一般グラフの最大クリーク問題を多項式時間的という効率性保証の下で解決可能とした. また,全く一般のグラフに対して最大クリークを効率良く抽出する分枝限定アルゴリズムを提唱し,細部にわたっての実働評価を行い,その高効率性を実験的に明らかにした. さらに,極大クリーク全列挙アルゴリズムCLIQUESを疑似クリーク抽出に一般化したアルゴリズムにより,ソーシャルネットワークにおける構造変化を一層効率良く検出できることを明らかにした. この他に,オートマトン・言語理論における新しい成果も収めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大クリークを抽出するアルゴリズムの多項式時間性を保証する条件とアルゴリズム・解析の改善に関しては予想以上に非常に複雑となったが,定量的には予期した程度の結果を得ることが出来た. 最大クリークおよび極大クリークの実働的効率化と応用についても,これまでに想定した良好な結果を得ることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により,最大クリークを抽出するアルゴリズムの多項式時間性を保証する条件とアルゴリズム・解析の改善についての見通しがかなり明確となった.従って,この上で具体的にさらに同問題の定量的改善を一層に進める.更に,この成果の上で実働的にも一層高速なアルゴリズムを開発する.また,これらをデータマイニング等の実問題への応用することも積極的に進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額2円は,物品費の使用残高端数である. 平成26年度予算に組み込んで使用する.
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Research Products
(8 results)