2014 Fiscal Year Research-status Report
最大および極大クリーク抽出アルゴリズムの高効率化と応用
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25330009
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 悦次 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (40016598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若月 光夫 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30251705)
西野 哲朗 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (10198484)
伊藤 大雄 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50283487)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 最大クリーク / 極大クリーク / NP完全問題 / 多項式時間的可解性 / 分枝限定法 / 列挙 / 計算機実験 / データマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
最大クリーク抽出問題はNP困難であるため,指数的に多大の時間を要すると考えられ,その解決は困難である.ここで,対象グラフに何らかの制限を設けることにより解決が容易となる,すなわち多項式時間的に解決可能とすることも重要となり,これまで,節点の最大次数に制限を課すという非常に基本的な条件付けの下における成果を得てきた.本年度においてはその成果を更に発展させ,次の結果を得た: “節点数nのグラフにおける節点の最大次数Δが3.486d lg n (nは非負定数) 以下であるとき,そのグラフの最大クリーク問題は O(n^{1+d}) なる多項式時間で可解である.” これは,極大クリークをO(3^{n/3})時間で全列挙する最適(optimal)アルゴリズムCLIQUES(E. Tomita 他, Theoretical Computer Science, 2006年)を基として,そこにおける新たな基本性質を解明して有効に活かすことにより,従来よりも条件を緩和して多項式時間的可解性の範囲を有意に拡大した結果となっている. 一方,最大クリーク抽出のための深さ優先探索分枝限定アルゴリズムの実働上の効率化について幾つかの改善を考案,検証し,総合的にこれまでに得ているアルゴリズムの一層の効率化達成を実験的に確認した.ここにおいては,近似最大クリーク抽出アルゴリズムも前処理として有効に活用している. 極大クリーク列挙アルゴリズムを実際問題に適用するためには,厳密な極大クリークを緩和した擬似極大クリークを扱うことも重要となり,その基本的アルゴリズムを提唱すると共に,それを実際のソーシャルネットワーク解析に適用し,その有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフ中における新たな基本性質を解明したことにより,最大クリーク抽出の多項式時間性を保証するアルゴリズムおよび解析の単純化を図りながら,定量的にも一層改善した結果を得ることが出来た. 最大クリークおよび極大クリーク抽出の実働化においても新たな手法を導入することにより,従来よりも優れた結果を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
グラフ中の基本性質を更に究明し,その上において極力複雑化を抑えながら,最大クリーク抽出問題の多項式時間的可解性の理論結果を更に拡張する. また,この理論結果を参考としながら,最大クリークおよび極大クリーク抽出アルゴリズムの実働的高効率化を更に進め,データマイニング等の実問題へ適用して有効性を明らかにする.
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Causes of Carryover |
次年度使用額1,169円は,物品費の使用残高端数である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度予算に組み込んで使用する.
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Research Products
(11 results)