2016 Fiscal Year Annual Research Report
Standard methods for the study of forbidden subgraphs
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25330017
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 明 日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グラフ理論 / 禁止部分グラフ / マッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度までの3年間で禁止部分グラフの標準的な研究手法が得られたことを踏まえて、平成28年度にはこの手法と相性の良いグラフの性質を調べた。 toughness はグラフの不変量であり、偶位数の1-toughなグラフには完全マッチングが存在することは昔から知られている。一方マッチングの理論では指定された辺を含む、あるいは避けるマッチンもよく研究されている。非負整数 m, n について、任意に指定した位数 m のマッチング M と、M とは互いに素に指定された任意の位数 n のマッチング N について、M を含み、N を含む完全マッチングが存在するとき、そのグラフは性質 E(m,n) を満たすとよばれる。1998年に Liu と Yu は偶位数の n-tough グラフは E(0,2n-1) を満たすことを証明した。本研究代表者は本課題研究の手法を用いて、より一般に (m, n)≠(0, 0), (0, 1) のときtoughness > m+(1/2)n なる偶位数のグラフは E(m, n) を満たすことを証明した。また本結果の最良性を示すこともできた。この結果により、本課題研究が開発した手法の有効性が示された。 また本研究代表者は性質 E(m, n) と binding n umber の関係を調べた。本研究代表者は任意の正の実数εと非負整数 m, n について、ある正の整数 N=N(m, n,ε)が存在し、binding number≧ 4/3+εあり、位数が N 以上の偶数である連結グラフは E(m, n) を満たすと予想した。本課題研究が開発した手法を用いることにより binding number を精密に評価し、予想を肯定的に解決した。 4年間の研究の総括として、本課題研究のおいて禁止部分グラフに関する標準的な手法を確立し、その有用性を示すことができた。
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Research Products
(7 results)