2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25330021
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
河野 泰人 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, その他部局等, その他 (40396180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 浩 東京理科大学, 理学部, 教授 (00396178)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 量子コンピュータ / 量子アルゴリズム / フーリエ変換 / 隠れ部分群問題 / 非可換群 / 表現論 / 格子問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、研究計画書に掲げた2つの課題「研究課題1.数式処理を用いた非可換群上のフーリエ変換アルゴリズムの研究」および「研究課題2.非可換群上のフーリエ変換に関する研究」のうち、計画の進捗が遅れていた研究課題2の研究に集中し、当初予定していた研究計画をほぼ達成した。 課題1に関しては、本研究計画の初年度に対称群上の量子フーリエ変換を実行する最速の量子回路を国際会議ISSAC2013(ノースウェスタン大)で発表し、翌年度、改良版をISSAC2014(神戸大)で発表、それらの内容をまとめた論文が最終年度に海外ジャーナルJournal of Symbolic Computation(Elsevier)で採録された。論文の雑誌掲載は本年度7月の予定で、Web上ではすでに公開されている。ほぼ計画通りの成果が達成でき、満足できる結果だった。 課題2に関しては、計画2年目終了の段階で計画の進捗に遅れが生じていたため、最終年度に研究リソースを集中した結果、新しい量子アルゴリズムの開発にほぼ成功した。得られた量子アルゴリズムは格子問題に関するアルゴリズムで、次世代公開鍵暗号の解読に応用できる。この成果の部分結果は国際会議QIP(カナダ)で発表済みで、その結果をさらに発展させた内容を論文にまとめ、現在、別の国際会議に投稿中である。また、研究計画書の課題2に記載した新たな研究分野への応用の一環として、量子暗号の安全性自動証明に関する研究に取り組み、得られた成果が海外ジャーナルJournal of Symbolic Computation(Elsevier)に採録された。本論文は、上記論文より少し早く、本年度3月に雑誌掲載済みである。
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