2014 Fiscal Year Research-status Report
グラフ構造を有する集合被覆問題に対する近似アルゴリズムの開発
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25330026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
趙 亮 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90344902)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | distance dominating / distance covering |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グラフ構造を有する集合被覆問題に対し、グラフの性質を利用した性能のよい近似方法を設計し、多方面から集合被覆問題の本質に迫ることを目的としている。平成25年度では、(1)一般グラフに対して主双対法による近似法と(2)極大外平面グラフに対して支配半径が2の場合の近似法を提案した.両方のアルゴリズムに対して,計算時間が入力サイズの線形関数で,よい近似比を持つことを示した. 平成26年度では,まず(1)に関して,成果発表後にプログラム提供の要請が複数寄せられたため,ライブラリ化を行ない,中国重慶大学や大連理工大学の研究者らに提供した.今後共同研究の成果が期待できる.また本の一章として平成27年度に出版されることになった.(2)については,半径2の場合の成果をまとめて国際会議WAAC 2014(沖縄)で発表を行なった.一方,半径3の場合にも拡張できたため国際会議ISAAC 2014に投稿したが,時期尚早(=証明が一般化できそう)の指摘もあってリジェクトされてしまい,現在一般化を図っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般グラフに対する研究の成果は,プログラム提供や本出版の要請が寄せられ,国際的に一定的な評価をもらえたと考える.また極大平面グラフの研究成果も,国際会議での発表があり,一般化できればさらにレベルの高い会議でも発表できるかと考える.また,発表はしていないが,多重被覆の場合は比較的に簡単に対応できることもわかった.一方,枝長付きの場合に関してはまだ線形時間の方法を見つけていないのも実情である.以上を踏まえて,おおむね順調かと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に新たに確立した国際共同研究プロジェクトを推進し,複数問題設定の場合の対処や理論保証付き近似アルゴリズムの開発を考えていく予定である.特に枝長付きの場合に関して考える.同時に極大平面グラフの研究で見つけた方法の一般化を図り,より多くのグラフクラスや支配半径まで拡張を行う予定である.
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Causes of Carryover |
H26年度に予定していた海外発表がなくなり,さらに申請当時に予定していなかった国際共同研究の推進に海外出張や海外研究者の招聘が予想されるため必要となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外発表1回25万円,打ち合わせのための海外出張または招聘計2回x12万/回=24万円,プログラム開発のため謝金8万,合計57万円を予定している.残りの3,817円を消耗品等に使用する.
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