2015 Fiscal Year Research-status Report
グラフ構造を有する集合被覆問題に対する近似アルゴリズムの開発
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25330026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
趙 亮 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90344902)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Dominating set / distacne dominating / set cover / democratic number |
Outline of Annual Research Achievements |
いままで検討した結果を踏まえて計算機検証実験を行いました.対象は,実用性を重視する観点から,Standord大学が公開している大規模実ネットワーク集(Stanford Network)から無向グラフのものを選びました.計算実験の結果,すべての対象に対して,(下界を用いて概算した)近似比が小さい値になっていることや,時間もほぼ線形であることが分かりました.ただし,理論的保証を証明できていないため,今後最悪の例の構築を通じて性能と平均性能を明らかにする予定です. 検証実験の副成果物として,ソーシャルネットワークにおいて節点の半分を支配するための最小影響半径を調査しました.その結果,サイズが数万程度の小さいものから10億を超える大きいものまで,(実験で確認した範囲では)例外なく2という驚くべきな値を発見しました.この成果から,ソーシャルネットワークにおける独裁度と民主度の指標を提案し,発表した論文は4th Annual International Conference on Operations Research and Statistics (2016年1月,シンガポール)という国際会議でBest Paper Awardを受賞しました. さらに,この数年の科研費(課題番号23700018と本件)による研究成果が評価され,Big Data of Complex Networksという本(ISBN 9781498723619,Chapman and Hall/CRC)の執筆に招待され,そのうちの一章を担当しました.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験によってアルゴリズムの性能を確認できましたが,一般的な理論的証明はまだ完成していません.申請当初想定していた大学院生の協力が職場の転置によって得られなくなり,それの響きと理論評価の難しさが原因です.今後,平均性能の評価といった緩和した形で評価を進める予定です.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)いままで課題になっている理論評価を行います.よい結果を得られなさそうな場合,緩和した平均性能の評価などを考えます. (2)今年では進められなかった外平面グラフにおける(前年度で報告したようにリジェクトされた)成果を整理し,一般形への拡張を試みます. (3)これまでの成果をまとめ,適切な形で発表することを考えています.
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Causes of Carryover |
昨年度では,H25年度の海外長期渡航の影響で57万の繰越が生じました.今年度で実験用高性能のPCの調達に使用しましたが,まだ一部残りました.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に論文の投稿料や打ち合わせ・発表の旅費等に使用する予定です.
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