2013 Fiscal Year Research-status Report
コピュラを用いた多変量生存時間データの判別分析法とその医学データへの応用
Project/Area Number |
25330031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴川 晶夫 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00277287)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生存時間分布 / 判別分析 / コピュラ / 打切り |
Research Abstract |
平成25年度は,主に「多変量生存時間分析とコピュラ理論に関する先行研究結果の整理ビュー」と,「コピュラを用いた多変量生存時間分布モデルの定式化」を行った. 1.本研究に関連する先行研究の整理:打切りのある多変量生存時間データの解析法に関して、Hanley and Parnes (1983), Dabrowska(1988)に始まる多変量打切りデータのノンパラメトリック解析研究と, Clayton (1978), Oakes(1982)に始まるFrailty Modelに基づくパラメトリック解析法について,最新の研究成果まで網羅的に整理した. コピュラ理論については,(1998)等の文献を参考として, 最新の成果までを整理した. また,判別分析法の理論と応用に関するレビューを行った. 2.コピュラを用いた多変量生存時間分布モデルとその推定法の定式化:多変量生存時間データ解析のための統計モデルを, コピュラを用いて構築した. また,構築されたモデルにおける未知パラメータの推定法を定式化した. 3.数値シミュレーションのための環境整備:次年度以降に実施予定の「シミュレーション実験による判別手法の性能評価」と「医学データへの応用」のための計算機環境整備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画において,次の4項目の実施を計画していた. 1.先行研究成果の整理,2.コピュラに基づく多変量生存時間分布モデルの構築,3.定式化したモデルの医学的見地からの検証,4.数値シミュレーション実験の環境整備. 項目1と4については,当初の計画以上に進展し、平成26年度以降にさらに発展させることが可能な状況となった.項目2については、おおむね順調に進展し,コピュラに基づくモデルの定式化を行った.しかし,その定式化したモデルの評価法や推測法の開発については,一部に課題を残し,平成26年度以降に引き続き研究遂行を必要とする状況にある.項目3については,医学関係研究者数名と研究打ち合わせを行い,モデル定式化にあたっての重要と思われるコメントを得た.しかし,セミナー等を開催し,生存時間解析の実務に携わる専門家から広くコメントを得るための機会を設けることができなかったことに,課題が残った.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は,コピュラを用いて多変量生存時間分布をモデル化することにより,多変量生存時間データに対する柔軟な判別分析法を開発することである.この目的達成のために,今後は主に次の項目を遂行する. 1.多変量生存時間データに対する判別分析法の定式化: ベイズ判別ルールに基づいて判別関数を導出する. 多変量生存時間分布の様々なモデル化のもとで, 判別関数を導出し, その形状や性質などについての研究する. また, データマイニング法の研究のなかで開発されたサポートベクターマシンを用いた判別法などとの比較についても検討を行う. 2.判別分析法の性能評価: 誤判別確率の漸近評価公式を導出する.また,シミュレーション実験により,小標本の場合における判別法の性能を評価する. 3.医学データへの応用: 先行研究において解析されてきた多変量生存時間データ(Mantel et al.(1977)のラットの腫瘍形成時間データ等)や, 研究代表者所属機関の医学研究科における近年の医学研究において得られた多変量生存時間データに対して, 本研究において開発された手法を適用し,開発手法の有効性や問題点を検証する. 統計学的見地からの検討を行うと共に, 判別関数や分析結果に対して医学的に自然な解釈が可能であるかなど, 医学的見地からの検討も行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
医学研究者や生存時間解析の実務に携わる専門家とのセミナーを開催予定であったが,参加者との日程調整などの事情で、セミナー開催を次年度に延期したため、次年度使用額が生じた. 生存時間解析の実務家を招聘し、セミナーを開催する予定である.
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