2013 Fiscal Year Research-status Report
アウトカムに誤分類をともなうデータの競合リスク解析方法の提案
Project/Area Number |
25330041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
三重野 牧子 自治医科大学, 医学部, 助教 (60464707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 紀子 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (10376460)
新井 富生 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, 研究員 (20232019)
沢辺 元司 東京医科歯科大学, その他の研究科, 教授 (30196331)
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 教授 (70306140)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アウトカム誤分類 / 死因 / 病理診断 |
Research Abstract |
本研究では、死亡や発症といったアウトカムに誤分類があるような臨床研究に注目している。 初年度である平成25年度はまず、病理解剖診断データと死亡診断書の死因データを有している東京都健康長寿医療センターのデータを精査した。特に、病理データで診断がついていないにもかかわらず、死亡診断書で第一死因となっているような偽陽性の症例についての確認作業を行った。全身の病理解剖所見と臨床診断を含むカルテ情報の総合判断からの死因と、死亡診断書の第一死因が一致するかどうかについて、特にデータの精度が保証されている450例を対象に確認を行った。一致度については、ICD-10コードおよび厚生労働省の死因統計の分類について、分類の大きさごとに検討し、感度と特異度を計算した。この結果は平成26年1月に行われた日本疫学会総会にてポスター発表を行い、ポスター賞を受賞した。 一方で、複数の死因が競合しているような競合リスクのある状況でのアウトカムに対するリスク推定について、誤分類がどの程度リスク推定に影響しているか定量するための感度分析を行った。分析の際には、自治医科大学の全国コホートであるJMSコホートのデータをもとにシミュレーションデータを発生させ、死因として悪性腫瘍・循環器疾患・その他と考えたときにリスクの推定値にどのくらいバイアスが生じるかを検討した。この結果は先ほどと同じ平成26年1月に行われた日本疫学会総会にてポスター発表を行い、同じくポスター賞を受賞することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
老年期の人を対象とした実際のデータで、死因の誤分類に関する情報が得られた。また、死因が競合しているときの競合リスク分析におけるリスク推定への誤分類の影響について、シミュレーションによる感度分析も行った。研究計画どおり達成されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画どおりに進める予定である。病理データと死亡診断書からの死因データの不一致に関する研究結果は論文化を進めているところである。また、競合リスク分析における誤分類のリスク推定値への影響に関する研究も、より詳細なシミュレーションおよび既存の方法との比較を行って平成26年夏には学会発表予定であり、さらに論文化を進める。病理データと死亡診断書データの死因の不一致に関する研究結果をもとに、競合リスク分析を行う際の誤分類によるバイアス修正モデルを考案していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中には英文校正料や投稿料の支払いには至らなかったが、平成26年度には早々に必要となる。また、データ整理やプログラミングの人件費についても研究計画と作業計画をあわせ、次年度に入ってからの依頼になった。 主に、学術雑誌に投稿する際の英文校正料および雑誌の掲載料、さらにプログラミングについての人件費など計画している。
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Research Products
(3 results)