2015 Fiscal Year Research-status Report
自然な歪みをもつ非対称分布の開発と金融工学への応用
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25330050
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
藤澤 洋徳 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (00301177)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非対称分布 / ロバスト推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,主に,連携研究者の阿部氏と,歪んだ分布に対する,パラメータのロバスト推定を検討した.単なるロバスト推定であれば,様々な方法があるが,本研究では,EMアルゴリズムのように,何らかのロス関数を単調減少させるようなパラメータ推定アルゴリズムを検討している. 現在は,歪んだモデルが一次元の歪正規分布で,ロス関数はガンマ・ダイバージェンスから想定される,単純な場合をたたき台として考えている.ガンマ・ダイバージェンスに対しては,MMアルゴリズムの考え方を使って,ロス関数の適当な優関数を作って,ロス関数を単調減少する推定アルゴリズムを構築するテクニックが,最近に提案されている.しかし,歪正規分布には,そのままでは使えなかった.そこで,歪正規分布の潜在変数表示を利用して,二段階で優関数を作ることにトライしている.現在は,おおよそ上手く行くのではという手応えを得ている段階である. この優関数が上手く作れれば,その考え方は次元数にほとんど無関係な考え方なので,多次元の歪正規分布にまでは,拡張できるのではと考えている.ただし,多次元の歪正規分布の作り方は,一つではないので,どれにでも適用可能であるかはまだ見えていない.さらに,歪正規分布に限らない,一般の歪対称分布への適用可能性も検討したい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ロバスト推定に関して,もとの研究テーマの延長上にはあるが,予定しなかった非常に面白いテーマを発見したため,その研究を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
ロバスト推定に関して,一次元の研究が終わり次第,多次元の研究に取り掛かる予定である.特に,歪対称分布に対しては,一次元の場合のロバスト推定は比較的簡単だが,多次元の場合のロバスト推定は,手法を提案できても実装は容易ではない.本研究が成功すれば,実装が容易な多次元歪対称分布のロバスト推定が可能になる.
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Causes of Carryover |
申請研究の延長上にある新しい研究テーマが浮かび,その研究を遂行中であったが,研究代表者が今年度後半に多忙となり,研究の遂行を来年度に行わざるを得なくなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究打合せや研究発表の旅費に使用する予定である.
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Research Products
(5 results)