2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉瀬 謙二 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (50323887)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コア融合 / 計算機システム / プロセッサ / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
プロセッサの性能向上を維持するため,チップに複数のプロセッサコアを集積するマルチコア/メニーコアと呼ばれるプロセッサアーキテクチャが注目されている.本研究では,コア融合の仕組みを用いる新しいメニーコアアーキテクチャによるプロセッサの高性能化を目指している.また,FPGAなどを用いたプロトタイプシステムを構築して,プロセッサアーキテクチャとシステムソフトウェアとを含むコンピュータシステムのレベルで提案方式の有効性を検証することを目的としている. 研究2年目の平成26年度は,研究計画における項目(C)として挙げている「計算機アーキテクチャ研究に適したFPGAボードの設計」をおこなった.具体的には,FPGAボード間の通信としてシリアルATAケーブルを用いた高速シリアル通信の予備評価をおこない高いバンド幅のデータ転送が可能であることを確認した. また,コア融合の仕組みを持つメニーコアプロセッサにタスクを割り当てたり,複数のコアの融合や分離の制御をおこなったりするためのオペレーティングシステムが備えるべき機能の検討をおこなった.加えて,オペレーティングシステムとして採用することを検討しているLinuxが動作するx86命令セットアーキテクチャの計算機システムをFPGAボード上に実装しSPEC CPUなどのベンチマークプログラムが正しく動作することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目の平成26年度は,研究計画における項目(C)として挙げている「計算機アーキテクチャ研究に適したFPGAボードの設計」をおこなった.具体的には,FPGAボード間の通信としてシリアルATAケーブルを用いた高速シリアル通信の予備評価をおこない高いバンド幅のデータ転送が可能であることを確認するとともに,この高速通信ポートおよびFPGA, DRAMを搭載するボードのレイアウト設計をおこなった. また,コア融合の仕組みを持つメニーコアプロセッサにタスクを割り当てたり,複数のコアの融合や分離の制御をおこなったりするためのオペレーティングシステムが備えるべき機能の検討をおこなった.加えて,オペレーティングシステムとして採用することを検討しているLinuxが動作する計算機システムをFPGAで実現し,OSを含むコンピュータシステムのレベルで提案方式の有効性を検証するための環境の構築を進めた. また,研究計画における項目(B)として挙げている「タスク配置を含むシステムソフトウェアの設計と実装」を進めた.一方で,FPGAの製造元であるXilinxと日本代理店の企業との提携解消という状況が生じたため,平成26年度1月以降のFPGAの入手が困難になるという事態が発生した.このため,実施を予定していたFPGAボードの実装と動作検証については平成26年度に実施することができなかった.こちらは,平成27年度の前半に優先的に進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,これまでに開発したコア融合アーキテクチャCoreSymphonyのハードウェア記述,システムソフトウェア,FPGAボードの設計データを活用して,CoreSymphonyアーキテクチャのシステムレベルの評価を実施することを主な目的とする. まず,平成26年度にレイアウト設計したFPGAボードについては基板製造と実装,そして動作検証を早急に実施する.また,これらのボード間の通信テストをおこなうとともに,プロトタイプとして用いることができるように整備する. 設計・実装するFPGAボードについては,本研究で活用するとともに,様々なコンピュータアーキテクチャ研究の例題に適用することで,その有用性を示していく. また,詳細評価に必要となる様々な分野のアプリケーションプログラムを本研究のプラットフォームに移植(並列化)し,これらを用いて,計算機システムのレベルでコア融合機能を持つメニーコアプロセッサの詳細な評価を実施する. 加えて,本研究成果をまとめたホームページなどを整備して,実装したソフトウェアとハードウェアやその仕様等を公開し,それらの普及に努めていく.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は少額であり実質は計画通りである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は少額であり実質は計画通りである.
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Research Products
(2 results)