2013 Fiscal Year Research-status Report
給電制御を持つFPGAアクセラレータによるグリーンコンピューティング基盤の構築
Project/Area Number |
25330066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 裕一郎 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10336183)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FPGA / アクセラレータ / 電力性能比 |
Research Abstract |
1 FPGAアクセラレータにおける電力負荷のモデル化とその検証を行うためには,シミュレーションベースの電力解析だけでなく,アクセラレータがアプリケーション時に消費する電力を測定することが必要である.このため,電源ユニットやホストPCからアクセラレータへ電源供給を行うラインにシャント抵抗を挿入し,計装アンプで電圧降下値を増幅することでアクセラレータの消費する電力負荷を測定する実験装置を実装した.これをXilinx社のFPGA評価ボードやMaxeler Technologies社のFPGAアクセラレータに適用し,動画像認識処理や熱拡散シミュレーションなどの実アプリケーションを用いて消費電力を測定できることを確認した. 2 科学技術シミュレーション分野で頻繁に用いられる計算パターンの1つであるステンシル計算について,FPGAアクセラレータ上に実装する際のアーキテクチャパラメータとしてパイプラインステップ数に着目し,これらを変化させた場合の性能モデルを構築するとともに,それらと消費電力の関係について実測に基づく評価を行った.その結果,いずれのパラメータも計算処理の並列性を抽出し性能を向上させるが,消費電力に与える影響は前者の方が大きく,これはFPGAのオンチップメモリの使用率が大きく寄与していることが明らかになった. 3 電力消費の詳細なモデル化やその動的予測技を確立するためには,ハードウェアコンパイル時に得られる静的な情報だけでは自ずと限界がある.そこでユーザ回路の稼働率やアクセラレータのメモリアクセスに関するプロファイリングを行う機構をFPGAアクセラレータ内に設置するため,Maxeler Technologies社FPGAアクセラレータ向けの高位合成フレームワークを実装し,電磁界シミュレーションなどの実アプリケーションを用いてプロファイリングが可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FPGAアクセラレータにおける電力消費をモデル化するための実験評価基盤の構築がハードウェア・ソフトウェアの両面で進んでおり,初期評価のデータも順調に得られ始めている.また,性能予測や使用資源見積については,すでにモデルを構築し妥当性の評価も行っており,当初計画通りに進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
1 今年度に構築した実験評価基盤を用いて,さらに評価アプリケーションを増やすとともに,演算精度についても浮動小数点数演算だけでなく固定小数点数演算を用いるなど,さらに広範なパラメータにおいて評価することによりモデル化に必要なデータの蓄積を行う. 2 上記の評価実験を通じて性能予測モデルを詳細化するとともに,具体的な消費電力の見積モデルを構築する.特にFPGAオンチップメモリの使用率と消費電力との関係について分析を行う.また,アクセラレータの消費電力の予測結果を給電制御へ反映した際の効果に関する検討も並行して行う. 3 これらの研究により得られた成果について,可能な限り随時内外の学会等で発表する.
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