2014 Fiscal Year Research-status Report
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25330078
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
紙名 哲生 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (90431882)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | プログラミング言語 / プログラミングパラダイム / 方法論 / モジュラリティ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、まず新たな文脈指向プログラミング（COP）言語ServalCJの研究開発を進めている。これは、既存のCOP言語で提案されてきた様々な層活性の機構を一般化し、シンプルな言語機構としてまとめ上げた新しいCOP言語である。当該年度においては、異なる層活性機構を統合する際に生じる衝突の問題（オブジェクト毎の活性化と大域的な活性化の衝突や、同期的な活性化と非同期的な活性化の衝突）を識別し、言語の意味論を形式的に正確に記述することによって問題の解決方法を示した。またこの意味論に基づいてServalCJのコンパイラを実現し、パフォーマンス評価を行って実用性を示した。研究成果はソフトウェアのモジュラリティ分野で権威のある国際会議MODULARITY'15で発表された。
本研究課題では、同時に文脈指向ソフトウェア開発方法論COSEの構築も進めている。当該年度では、COSEの新たな事例研究として迷路探索ロボットのシミュレータの開発に取り組んだ。この事例では、これまでの事例には無かった観点として、数ある層活性方法の中から、適切なものを選択する手法に関する考察が盛り込まれている。昨年度の研究成果としてMODULARITY'14で発表された（4月開催だったため発表自体は当該年度の実績）論文に、この事例研究を含めた論文を、権威ある英文論文誌に投稿中である。
このほか、層内基底メソッドをServalCJのような非同期的な層活性を許す言語で実現する方法の予備研究として、on-demand activationの機構を提案し、COPに関する国際ワークショップCOP'14で論文を発表した。この機構そのものはServalCJでは実現できないことが後に分かったが、それに代わる機構に関する着想を得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画、また昨年度定めた推進方策どおり、意味論の形式化に基づいて上述した層活性機構の衝突の問題の識別と解決を行い、アイデアの深化を行った。またServalCJの実用的なコンパイラを作成し、パフォーマンス評価を行ってその実用性を示した。方法論についても同様に、新たな事例研究から文脈指向ソフトウェア開発に関する新たな観点を引き出し、方法論の精緻化を行うことができた。これらの成果は権威ある国際会議で発表され、国際的評価も高い。
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| Strategy for Future Research Activity |
層内基底メソッドをServalCJのような非同期的な層活性を許す言語で実現する方法を完成させる。層内基底メソッドの実現方法は、現在活性化されている層の階層構造を利用する場合と、層の継承関係を利用する方法がこれまでに考えられており、両者は似ているものの微妙に異なる側面を持つ。本研究では両者の機構を一つに統合するとともに、それを非同期的な層活性でも安全に利用できるように改良する。これは、さまざまな層活性の方法を一般化し、シンプルな言語機構としてまとめ上げるという当初の研究目的とも合致する。
同時に、COPの応用に関する研究として、方法論COSEとともに利用できる開発環境の試作を行う予定である。
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| Causes of Carryover |
当該年度の前年に研究成果を発表する予定だった国際会議が4月開催となったため、その出張に当該年度での予算を用いることになり、もともとの当該年度の計画と合わせ、当該年度では年3回の海外出張をすることになった。そのため、前年からの繰越金では予算が足りなくなると予想し、備品は他予算で購入したものを代替で使用するなど備品購入の予算を切り詰めていたが、結果的に若干余ってしまった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料の整理等に利用する小額備品の購入に充てる。
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