2013 Fiscal Year Research-status Report
ケイリーグラフにおける確率的耐故障経路選択手法の開発
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25330079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金子 敬一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20194904)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高信頼システム / ディペンダブルコンピューティング / ハイパースターグラフ / ハイパーキューブ / 耐故障経路選択 / アルゴリズム |
Research Abstract |
ハイパーキューブにおいて確立した手法に基づき,ケイリーグラフの一種である正則なハイパースターグラフにおいても,確率的な耐ノード故障経路選択アルゴリズムを開発した.具体的には,ハイパースターグラフの各ノードにおいて,前処理として,隣接ノードと情報を交換することで,目的ノードまでの距離別に到達確率の推定値を計算しておく.実際に,メッセージを送信する場合,メッセージを保持しているノードから目的ノードまでの距離を計算し,目的ノードに近づく隣接ノードの部分集合から,最も目的ノードへの到達確率の高いノードを選択して,メッセージを送信する.従来の手法では,到達を保証するか否かという情報しか利用していなかったのに対して,すべての隣接ノードが到達を保証できない場合でも,より確率の高い隣接ノードにメッセージを送信することで,耐ノード故障経路選択アルゴリズムの性能を向上させることに成功した.この成果は,先進計算機科学・応用・技術に関する国際会議において発表した.また,ハイパキューブにおいても,リンク故障を表す関数を導入して到達確率を計算するように,計算式を改良することで,耐リンク故障経路選択アルゴリズムを実現することに成功した.ノードに接続するリンクすべてが故障しているとみなすことで,そのノードを故障ノードとして扱うことができるため,リンク故障に対応するアルゴリズムの方が汎用性が高い.この研究成果についても,国際会議において発表する予定である.また,スターグラフに対するアルゴリズムについても順調に開発が進んでおり,スターグラフの拡張グラフに対しても研究を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目標である,ハイパースターグラフに対する確率的経路選択手法の開発に成功するとともに,スターグラフやその拡張グラフに対する確率的経路選択手法についても順調に開発が進んでいるため.さらに,ハイパキューブに対しても,耐ノード故障から,より汎用性の高い耐リンク故障の確率的経路選択手法を開発することにも成功したため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当初の目的通り,パンケーキグラフや焦げたパンケーキグラフに対する確率的な耐ノード故障経路選択手法の開発を目指すととともに,その耐リンク故障化を図る.
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