2014 Fiscal Year Research-status Report
クラウド環境で効率的に運用できるキャッシュサーバを用いたWebシステムの開発
Project/Area Number |
25330082
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
最所 圭三 香川大学, 工学部, 教授 (50170486)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 負荷測定 / 負荷分散 / キャッシュサーバ / ロードバランサ / DNS / 優先アクセス / キャッシュ管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究で実装したキャッシュサーバへの振分機構では,測定のばらつきが大きく,負荷が変わらないのに配送するキャッシュサーバを少なくしてしまうという現象が発生していた.今年度はこの現象に対応するために移動平均を用いる方法を実装し,この現象を押さえることができた.また,昨年度は1台のオリジナルサーバと2台のキャッシュサーバを用いて実験していたが,キャッシュサーバを9台に増やして実験を行った.その結果,リクエストが振り分けられるキャッシュサーバ数がリクエスト数に比例して増やせることを確認した.さらに,実験段階までは至っていないが,キャッシュサーバの動的な起動・停止機能を実現した.また,ロードバランサを用いる場合,ロードバランサがボトルネックになる可能性があるため,DNSを用いた負荷分散についても検討した.負荷状況に応じてDNSサーバにキャッシュサーバを動的に追加・削除を行う機能,DNSキャッシュの影響を考慮したキャッシュサーバの起動・停止機能を検討した. 特定のリクエストを優先してサービスする機構で問題になっていた過渡状態の振る舞いを改善す方法として,優先アクセスが発生したときに優先アクセスに割り当てる計算機資源を徐々に増やす方法について検討した.実装までは至っていないが,優先されるクライアント側から徐々にアクセス量を増やす実験を行い,その有効性を確認した.また,優先アクセス側にキューを実装し,より多くの優先クライアントに対応できるようにした. キャッシュサーバでのキャッシュの管理機構についての検討を行った.キャッシュサーバでサービスを行っているプログラムに組み込む方法とプログラムを外部から制御する方法について検討し,外部から制御する方法を採用し,その管理機構の設計を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度までの目標は以下の通りである. サーバ側の機能で動作実験までを目標とした項目として,(A)キャッシュサーバの負荷状態を把握する機能,(C)キャッシュサーバに過剰なアクセスを向ける機能,(D)キャッシュサーバからのアクセスを優先して処理する機能,(E)他のサーバにアクセスの一部を向けるようにキャッシュサーバに指示する機能がある.一部実装を目標とする項目として,(B)キャッシュサーバを参加,離脱させる機能がある.(A),(B),(C),(D)の機能についてはほぼ目標を達成しており,その有効性についても確認できている.しかし,(E)の機能については,提案システムで重要な他の機能の実装を優先したため,昨年度から進んでいない. クライアント側の機能で動作実験までを目標とした項目として,(a)サーバ側の(A)に対応する機能,(c)サーバ側の(E)に対応する機能,(d)キャッシュ管理機能がある.一部実装を目標とする項目として,(b)サーバ側の(B)に対応する機能がある.(a)の機能についてはほぼ目標を達成しており,その有効性についても確認できている.(b)の機能も目標に達しており,キャッシュサーバの起動・停止を実現できている.(c)の機能も(E)の機能と同様に,昨年度から進んでいない.(d)の機能については設計段階に移っており,本年度の実装を目指す. 以上のことから,現在までの達成度を,やや遅れているとした.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の達成度は少し遅れているが,全体としては予定通りであり,基本的には当初の予定通りに行うが,(E)と(c)については方針を変更することにした. (E)と(c)の機能は,(A)と(C)の機能を用いることにより,ほぼ同等の機能を実現できると考えており,(A)と(C)に機能追加を行うことで実現することとする.(F)連携しても処理できないほどの過剰アクセスに対応するための機能については,他の機能よりも優先度が低いため,可能であれば実装することにする.
|
Causes of Carryover |
遠方での発表が少なかったこと,パック旅行が可能であったことから旅費の出費が抑えられたことが次年度使用額が生じた主な理由である.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議での発表を計画しており,そのための旅費や参加費として使用する予定である.
|
Research Products
(7 results)