2013 Fiscal Year Research-status Report
ディザスタリカバリを可能にする高速退避型遠隔ライブマイグレーションの研究
Project/Area Number |
25330097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
広渕 崇宏 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (20462864)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 仮想化 / 仮想計算機 / マイグレーション / 仮想マシンモニタ / ページキャッシュ / 仮想マシン / ディザスタリカバリ / 広域ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、仮想計算機のライブマイグレーション技術を改良し、地理的に離れた拠点に対して短時間で仮想計算機を移動する技術を開発する。初年度においては、関連技術の調査を行うとともに、提案手法について基礎的な設計を行った。 あらかじめ仮想計算機の実行状態を宛先へ転送(キャッシュ)しておけば、移動時には残りの実行状態のみを転送することで移動時間を短縮できる。仮想計算機の主要な実行状態であるメモリおよびストレージに対して、そのデータをあらかじめ宛先に転送する手法について研究を行った。メモリに関しては、我々が以前発表した「過去に存在した仮想計算機のメモリデータを再利用することで移動時間を短縮する手法」を発展させて、「現在実行中のメモリデータをあらかじめ宛先に転送することで移動時間を短縮する手法」として拡張すべく基礎設計を行った。またストレージについては、既存のストレージサーバプログラムを拡張して、ディスクブロックをあらかじめ宛先に転送する機構について開発を進めた。データベース等のワークロードを用いて評価実験を行い、有効性を確認した。 さらに、仮想計算機のメモリデータにおいては、ストレージデータと重複する内容が含まれていることから、重複データを排除できれば移動時間を短縮できる。ライブマイグレーション機構において重複データを排除する機構について研究を行った。過去に発表した手法では仮想計算機を移動する前に重複排除を完了する必要があるため時間短縮効果が限定的であったが、今回仮想計算機の移動と並行して重複排除を行う機構を開発したことで大きな時間短縮効果を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査で当初の見込みを上回る成果が得られた点や他の研究機関から協力を得られた点は予想外の成果である。全体として順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度においては、本年度開発した機構について機能向上や評価実験を行い、国内外での成果発表を行う。 これまでは主として実機を用いた評価実験を行ってきた。しかし、一つの評価実験に要する作業量が比較的大きいという問題がある。今後、様々な環境下における提案手法の有効性を効率良く検証するために、シミュレーション技術を活用することを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
関連技術の調査を目的として海外出張を予定していたが、当該年度に行った文献調査において当初の予定を上回る成果があったため、次年度以降に海外出張を繰り越すこととした。また当初予定していなかったこととして、他の研究機関(INRIA)から研究協力の申し出があり、彼らが有するサーバ計算機を研究開発に使用することができた。当該年度における研究機材の購入が不要となった。 シミュレーション技術に関する動向調査および他の研究機関との調整のため海外出張を行う。
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Research Products
(5 results)