2015 Fiscal Year Annual Research Report
ディザスタリカバリを可能にする高速退避型遠隔ライブマイグレーションの研究
Project/Area Number |
25330097
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
広渕 崇宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (20462864)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 仮想化 / 仮想計算機 / マイグレーション / 仮想マシンモニタ / ページキャッシュ / 仮想マシン / ディザスタリカバリ / 広域ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地理的に離れた拠点に対して仮想計算機を効率的に移動する技術を開発する。全体の研究期間3年において最終年度にあたる平成27年度においては、研究成果の取りまとめを中心に行った。 第一に、これまで開発してきた仮想計算機の移動技術に関するシミュレーションフレームワークについて、クラウドコンピューティング分野におけるトップレベルの論文誌IEEE Transactions on Cloud Computingに投稿し、最終的に採録を得ることができた。この論文では、本フレームワークにより数万台以上の仮想計算機からなる大規模環境のシミュレーションが高い精度で可能になることを示している。評価実験を成功させるために、大規模クラスタを用いた対照実験の準備や、大規模環境に耐えうるようフレームワークの完成度を高めることなどに多くの労力を費やした。さらに、フレームワークのソースコードを整理し、使用方法を記載した文書を準備した。本シミュレーションフレームワークはクラウドコンピューティング分野の研究者らにとって有益なものとなるはずであり、今後は開発技術の普及活動に力を入れていく。 第二に、仮想計算機移動時の性能低下を緩和する手法について、条件付き再録への対応を経て最終的に英語論文誌の採録を得ることができた。この手法は著名な仮想計算機プログラムQemu/KVMにおいて採用されており、今後研究成果が広く一般に普及することが期待される。 第三に、仮想計算機のメモリデータとストレージデータ間に存在する重複を排除する機構については、これまでの研究成果を取りまとめ英語論文誌に投稿した。査読者からのフィードバックをもとにして、今後も研究の完成度を高めていく予定である。
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