2014 Fiscal Year Research-status Report
携帯端末を用いたセンサ情報収集手法の開発に関する研究
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25330104
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 実 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90127184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 直樹 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40335477)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | センサネットワーク / スマートフォン / DTN |
Outline of Annual Research Achievements |
スマートフォン等に内蔵されたセンサを用いて環境情報が取得できれば、特別なインフラの設置は不要であり、非常に有用である。しかし、人は自律的に行動しており、必ずしも都合よく必要なデータが得られるとは限らない。また、データ収集のために無線通信を利用することになるが、無線通信範囲、利用可能帯域幅、センシング範囲、携帯端末のバッテリ量の制約などを考慮すると、データ収集のために適切なセンサを選定することは非常に困難な問題である。本研究では、センサ情報要求クエリが与えられたとき、指定された制約条件を満たしつつ、データを効率的に収集する手法の開発を目的としている。 本年度は、(大規模な震災の発生時等)通信インフラが利用できない状況において、人々が携帯するスマートフォンをセンサノードとして重要な情報を収集・伝送するための手法の開発を行った。できる限り広いセンシング範囲をカバーしつつ伝送遅延を最小化するために、DTNに基づくデータ集約手法を考案した。データ収集時に、複数の情報を併合・集約することで情報のサイズを減らし、伝送遅延を抑えた。その際、情報の重複を避けるため、ブルームフィルタを利用した。さらに、ノードが目的地に到達する期待時間を見積もる評価法を考案し、それに基づきルーティングする手法を開発した。 次に、上記手法の有効性を計算機シミュレーションにより評価した。その結果、エピデミックルーティングに基づく手法と比較した場合、伝送のために必要な情報交換の総量を減らしつつ、情報伝送の遅延時間を約10%短縮できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関連して、昨年度は、査読のある学術論文に2件が掲載され、さらに、1件は採録が決定している。次に、査読のある国際会議に3件が採録・掲載された(うち2件は採択率が23%、29%とかなり競争率の高い国際会議である)。国内研究会での発表は8件であり、そのうち3件の発表で最優秀プレゼンテーション賞、優秀論文賞、優秀ポスター賞等4つの賞を受賞した。 以上のように、本研究に関連する成果は十分挙げられており、計画もおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年間ほぼ交付申請書に記載した計画に従って研究を進めており、関連する研究成果も順調に出ている。本年度も同様の方針で研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の交付額は計画通りほぼ支出したが、昨年度に生じた次年度使用額の分がそのまま残った。昨年度3件の国際会議で発表しており、そのための外国旅費を見込んでいたが、結果的に見込みよりも少ない費用で済んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の遂行に必要な機器(PC等)の購入、研究成果を国内研究会や国際会議で発表するための旅費、および、研究成果の学術論文誌への掲載料等に使用する予定である。
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Research Products
(14 results)