2013 Fiscal Year Research-status Report
交差点に仮想的なインフラを設置し交通情報を収集・提供するシステムの開発
Project/Area Number |
25330112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
屋代 智之 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60306397)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ITS / モバイルエージェント / 移動体通信 / モバイルネットワーク |
Research Abstract |
本研究では,車両の上で動作する一種のモバイルエージェントであるNA(Nomadic Agent)を拡張したNAvi(NA for vehicle information)を利用した交通情報提供システムを検討している. NAは車車間通信を用いて情報を交換するため,インフラを必要としないという特徴がある.また,マルチホップ通信やCAF(Carry and Forward)を用いることで,遠方の情報を取得することが可能である.しかし,マルチホップ通信やCAFには,遅延時間が大きいこと,情報が正しく目的地に到着する確率が低いこと,などの問題点が存在する.そこで,本研究では,LTEなどの移動体通信を活用する手法を提案する.LTEを用い,クラウドサーバ等を利用してそこに情報を保持すると,非常に高速に遠方の交通情報を取得することが可能となる.しかし,例えば渋滞等混雑しているところで,NAviなどがLTEを利用して情報を取得すると,本来の携帯電話による通話などを圧迫してしまう可能性がある. そこで,NAviについてのシミュレーションを作成し,LTEなどが利用可能な環境で,LTEの負荷を軽減しつつ,効率的に交通情報を提供,あるいは周辺に配布する手法に関して検討を行った. 効率的な情報配布を行うために,交通情報の鮮度(その交通情報が何秒前に生成された情報なのか)に着目する.各NAviは,自身が保持している周辺の交通情報の鮮度に応じて,LTEを用いてクラウドサーバから情報を取得するのか,あるいは車車間通信によるマルチホップ通信によって情報が届くのを待つのか,という判断を行うlbLTE方式を提案した.この方式を,シミュレーションを用いて評価したところ,LTE網に掛かる負荷を軽減しつつ,情報提供を行えることが示され,提案方式が有効であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案した手法について,まだ現時点では単純な道路モデルのみではあるが,当初の予定通り,シミュレーションによる評価が行えており,結果としてもその有効性が示されている.このため,概ね順調に進展していると考える.ただし,現状ではまだ評価がシミュレーションのみであり,実環境での評価に着手出来ていない点がマイナスである.これについては今後の研究で進めて行く予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
現状では,比較的単純な形状の一般道路でのシミュレーションしか行っていないが,高速道路や,実際の道路をベースとしたシミュレーションを行って行く必要がある.また,他の通信手法との有機的な結合についても検討して行く必要がある.さらに通信デバイスとして,例えばスマートフォンを用いた実証実験を行う必要があると考えており,そのためにAndroid上で通信を行うプログラムを作成する必要がある.これらを利用して,実車両を用いた簡単な実験から,シミュレーションの妥当性を評価するとともに,より高度な評価をシミュレーションで行って行く予定である. 方式についても,さらに効率的な情報配布が行えるように,改善して行く必要がある.
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