2014 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド型P2Pネットワークにおけるファイル分割と差分によるコンテンツ共有
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25330129
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅原 真司 千葉工業大学, 工学部, 教授 (90313410)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ピアツーピアネットワーク / コンテンツ流通 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の2年目である平成26年度は,前年度での,「各ピアのストレージの利用効率を考慮したコンテンツ分割と配置の手法の検討」に続き,次の段階として「コンテンツの更新によるバージョン管理に関する検討」を行った. 具体的には,ひとつのコンテンツから派生する,僅かな違いを持つ異なる多数のコンテンツがネットワーク上に蓄積され,それらのいずれにも参照する価値があるような環境において,ピアツーピアネットワークを構成する各ピアのストレージ容量に限りがあるにも拘らず,できるだけ多くのコンテンツをネットワーク上でアクセス可能にする手法を確立することを目指した. 元々ひとつのコンテンツ(オリジナルバージョン)から派生したコンテンツ(派生バージョン)は大部分が同内容であるため,あるバージョンを保持したいピアは,ネットワーク上に既に存在する別バージョン(フルサイズコンテンツ)とそれとの差分だけを持つようにすることで,使用するストレージ容量を節約する手段をとることが基本である.本研究では,その際,各バージョンの参照頻度(人気度)に従ってフルサイズコンテンツをどのバージョンに設定するかについて決定することにより,効率的なコンテンツ取得を実現している. また,多段階に差分を適用することで多数の派生コンテンツをひとつのフルサイズコンテンツから取得できるようにすることを検討しているが,その際に使用する論理的な木構造の段数をできるだけ均等にするために,B木を導入している.この場合,ネットワーク内に保持するコンテンツのバージョン構成に変更が生じても常に最大の差分適用回数を最小限に保つことができる. このような手法の提案に加え,その有効性を,計算機シミュレーションを用いて確認している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記述した内容に従って進められており,進度としては特に問題がないと思われるため.
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は最終段階として,1年目に検討したコンテンツ分割とそれらの最適配置の手法を,2年目で検討した差分情報によるコンテンツのバージョン管理手法と組み合わせて,効率的なコンテンツ共有手法を確立する予定である. また,3年間の研究の総括を行い,研究成果を積極的に研究会,国際会議などに発表することをめざす.
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Causes of Carryover |
年度末に購入した物品がほぼ予算額ちょうどであり,20円だけ残金が出た.これもすぐに研究記録用の文房具購入に使用したが,その価格が非常に小額であり,購入手続きのための資料作成が容易に出来る購入先が限られていて,手続きに手間取ってしまった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
手続き上,購入が年度を跨いでいるが,実質的には使用済みであり,計画は必要ないと思われる.
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