2015 Fiscal Year Research-status Report
自由発話音声による情報要求を活用したテキスト・音声・画像への情報アクセスの研究
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25330130
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
秋葉 友良 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00356346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 聖一 豊橋技術科学大学, リーディング大学院教育推進機構, 特任教授 (20115893)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ボイスサーチ / 自由発話音声 / 音声ドキュメント検索 / 情報検索 / テストコレクション / 音声中の検索語検出 / 音声内容検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的である「自由発話音声による音声ドキュメント検索」が、国立情報学研究所の評価基盤構築プロジェクトNTCIRに採択され、2ラウンド(3年間)の評価タスク運営を行ってきた。平成27年度は、自由発話音声クエリの数を38から80へと増やし、また評価タスク実行を通して正解データ作成を行うことにより、安定して信頼できる評価を可能とする評価データの構築を行った。さらに今回の収録では、自由に発声したクエリを収録した後に、推敲して整った表現へと編集したクエリの収録を行った。これにより、即時に表現したクエリと時間をかけて塾考したクエリの性質の差を調査し、自由発話クエリの活用方法を検討することが可能になった。 一方、構築した評価データを用いて、音声ドキュメント検索の諸技術の開発も進めた。自由発話音声を利用した検索手法として、自由発話音声に含まれる言語情報に加えて、ピッチ、パワー、話速などのパラ言語情報を抽出し、検索語の重要度を推定し、検索に利用する音声ドキュメント検索手法の開発を進めた。音声ドキュメントを対象とした検索手法として、研究を進めてきた距離順STD手法を用いて漸進的に検索結果を出力する音声内容検索(SCR)手法の開発を進めた。また、音声ドキュメントの未知語や誤認識に対処する手法として、検索対象文書間の関係をグラフ構造で表現し文書拡張する手法を、音声ドキュメントに適用する手法を新たに開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題を研究コミュニティ共通の評価タスクとして設定し、国立情報学研究所の評価基盤構築プロジェクトNTCIRに提案し、採択されるに至った。これにより、共通課題の元で他の研究機関を巻き込んで研究推進することとなった。本研究課題について、本課題の研究グループの枠を超えた、幅広い研究成果が期待出来る。これに伴い、当初研究目標のうち(A) 「自由発話音声による情報要求の収集実験と分析」、および(B)「自由発話音声を情報要求に用いた音声ドキュメント検索システムの開発」に研究資源を集中させるように計画変更を行った。そのため、当初課題(C) 「自由発話音声による画像データ表現の調査とそれを用いた画像検索システムの開発」には着手していないが、これは当初計画のオプションとして記載した「(A)(B)の深化への目標変更」に該当し、目的どおりに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題を研究コミュニティ共通の評価タスクとして国立情報学研究所の評価基盤構築プロジェクトNTCIRにて運営中である。本評価タスクの実施報告を行う国際会議NTCIR-12 Conferenceは、平成28年6月に開催され、本研究課題の成果を発表する予定である。また、構築したテストコレクションは、会議終了後にNTCIRプロジェクトから研究利用目的で公開する。その他、研究成果を国内外の会議、及び学術誌での論文発表を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究課題を研究コミュニティ共通の評価タスクとして設定し、国立情報学研究所の評価基盤構築プロジェクトNTCIRに提案し、採択されるに至った。本評価タスクの実施報告を行う国際会議NTCIR-12 Conferenceは、研究期間後の2016年度6月に開催される予定であるため、事業期間を延長して本研究課題の成果をまとめ、会議にて発表を行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題で構築した研究リソースおよび研究成果を、国際会議NTCIR-12をはじめとする国内外の会議および学術誌での論文発表で広く周知・公開するための出張費、会議参加登録費、論文投稿料、等に使用する。
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