2014 Fiscal Year Research-status Report
画像セグメンテーションから得られるビジョンキーを用いた新しい画像検索手法の開発
Project/Area Number |
25330133
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
PYKE Tin 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (70536961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱 裕光 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 名誉教授 (20047377)
THITHI Zin 宮崎大学, 工学部, 准教授 (30536959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 類似画像検索 / 画像セグメンテイション / ビジョンキー / 類似度測度 / リランキング / マルコフ遷移確率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究開発では、画像セグメンテーションから求められるビジョンキーを用いて、柔軟な画像検索を行える手法の開発を目的とする。本年度の主な研究実績としては、ウェブランキングシステムのためのマトリックス幾何学的手法の開発、民生品検索エンジンのための人間の行動分析フレームワークの構築、マルチタイプの情報ネットワークのためのクラスタベースでのランキングフレームワークの構築、画像ランキングシステムの新しいハイブリッド手法の導入、等が挙げられる。これらの成果はコンテンツベース画像検索システム構築のための理論的ツールとなるもので、対象メディアの種類によって使い分けることで、その機能を発揮することができる。その有効性は計算機シミュレーションを通じて確認している。 本研究では、1、 様々なユーザの要求を満たすように大規模データベースから画像を検索する新しい技術の開発、2、データベースに対する効果的な問合せが行えるユーザ・インタフェースのための画像ビジョンキーを導入し、その利用法に関する開発、を行う。ここでは、ビジョンキーと呼ばれる意味的なキー要素を見つけるための新しい手法を提案する。ビジョンキーは関連情報を検索するためにデータベースに対するクエリを実行するために提示される。提案手法は、著作権で保護されている画像や登録商標、ロゴマークの複製等を発見するために有効である。ビジョンキーベースの検索システムの柔軟性と有効性はシミュレーション実験を通じて示した。また、検索において、同じクエリを用いてもユーザの意図はそれぞれ違っており、ユーザ満足度最大化のためには、ユーザの意図把握は非常に重要な課題である。そのため、ユーザが要求するクエリに関連の深いキー情報処理のための新しい基本技術の開発、マルコフチェーン理論に基づくクラスタリング処理手法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の成果を基に、いくつかのフレームワークの提案を行った。 「ウェブランキングシステムのためのマトリックス幾何学的手法の開発」では、ランダムな環境における確率モデルとしてWebページランキングシステムを考慮して、ワールドワイドウェブ(WWW)のランダムなWebページランクを計算するために新しいマトリックス幾何学的方法を提案した。本アプローチは、様々な確率論的モデルに対して適用可能で非常に強力で、Webページランキングシステム分野での新しく有望な方向性を示せたと考える。 今日の消費者の世界では、検索エンジンが消費者への情報提供および意思決定プロセスにおいて重要な役割を果たしてきた。しかし、いわゆる3V(ボリューム、バライエティ、ベロシティ)に加えて各人による特性の違いがあり、消費者によってどのような情報が、どのように利用されるか、を知ることは非常に困難となりつつある。「民生品検索エンジンのための人間の行動分析フレームワークの構築」では、マルコフクラスタリング分析を用いた人間行動分析フレームワークを提案し、ブランド製品と消費者の検索パターンとの関係を分析し、顧客満足度最大化を目指した。 「画像ランキングシステムのための新しいハイブリッド手法」では、視覚的な情報とユーザの要望の両方を統合した画像のリランキングシステムを提案した。ここでは、画像コンテンツマトリックスおよびユーザの意図マトリックスから、ユーザの意図と視覚マトリックスを組み合わせて凸集合を形成した。さらに、ユーザ意図を大きくグルーピングし、画像の内容を分析した結果との両方を採用した。また、画像コンテンツとユーザの関心を組み合わせ、ユーザの意図を理解する方法を提案した。提案手法の有効性は、Sozaijiten画像ブックシリーズから収集したデータセットからのサンプルを用いて確認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、開発手法の統合とシステム化に注力する。本研究プロジェクトの目標を達成するために、各開発モジュールの統合と調整を行う。例えば、「マルコフ定常類似性測度を用いて視覚キーベースの検索およびリランキングシステム」や「ユーザの情報に対する要求を満たすための自動ランキングシステム」の統合を目指す。「画像ランキングシステムの新しいハイブリッド手法」では、提案手法の有効性を確認するために、Sozaijiten画像ブックシリーズから収集したデータセットからのサンプルを用いたが、今後は、様々なデータセットにも適用し、完成度を高めていく。その成果はできるだけ広く公開していく。総合的に見て、ほとんどの現存する画像検索システムよりもユーザの要求する情報に沿った類似画像を検索できると考えているが、さらに、本プロジェクトでの開発アルゴリズムは、著作権侵害、登録商標やロゴマークの複製や贋作等を発見するための新しい道具となり得るものである。
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Causes of Carryover |
当初、予定していたジャーナルの投稿料$800の支払いが3月に間に合わず、4月以降になった。 機材が想定していた以上に安価に購入できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ジャーナルの投稿料の支払いに優先的に支出する。 最終年度であり、成果の発表の機会も増えるので、そのために有効に使っていきたい。
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Research Products
(14 results)