2014 Fiscal Year Research-status Report
自然環境調査フィールドワークを支援する知識情報抽出・配信・共有機構の実現
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25330139
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹野 孝典 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (40434419)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | モバイルシステム / 情報検索 / 拡張現実ユーザインターフェース / 自然環境調査 / フィールドワーク / データベースシステム / 知識抽出 / 生態系学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,自然環境調査フィールドワークを支援する知識情報抽出・配信・共有機構を構築するための方法論を提案し,本機構の実現により自然環境調査フィールドワークの際に生じる諸問題の解決を図る事を目的とする.平成26年度の主な成果として,下記の提案を行い,当初の研究目標を達成できた.
(1)カメラ視野に基づく空間メタデータを用いた自然観察記録データ共有システム:携帯端末を用いて自然環境を観察・記録する際に,携帯端末のカメラ映像上の空間領域をポリゴン形式で抽出し,記録内容を空間メタデータとして対応づける方式について提案した.プロトタイプを用いた予備実験により,本システムの実現可能性を検証した. (2)サンプル写真の利用による画像検索を支援するスケッチGUI:あらかじめ用意したサンプル写真から,その一部を切り抜いたものや,使用されている色を自分のスケッチ中に流用することで,自然環境調査フィールドワークの際に利用可能なスケッチ検索を支援するためのスケッチGUIを提案した. (3)自然環境学習のための協調的マルチメディア調査記録ツール:自然環境の現地調査学習において,モバイル機器を使いながら観察記録を行うとともに,複数の調査者がテキスト・画像・動画・音声などの観察記録データを共有しながらディスカッションすることで,自然環境に関する有用な知見を効率的に導き出し記録するための協調的マルチメディア調査記録ツールを提案した. (4)利用者の入力単語予測のための単語共起頻度データベース選択方式:自然環境調査を支援するための利用者の入力単語予測を目的として,システムにより単語予測結果として提示された候補単語集合のうち,利用者が実際に選択した単語情報に基づいて,適切な単語共起頻度データベースを選択する方式について提案し,実際に構築したプロトタイプを用いた実験により,提案方式の実現可能性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度以降の当初計画に沿って,下記項目について研究を推進することができ,研究はおおむね順調に進展している.
(A) 自然環境調査に特化した知識情報を抽出するための方法論:主として,研究実績の概要で述べた方式(1)と(4)の実現を行った.また,モバイル環境におけるフィールドワーク実施時に要求される知識情報と,その事前・事後に実施される一連の調査や検証の際に要求される知識情報の性質の違いに着目した知識情報獲得のための方法論を現在構築中である (B) 他のフィールドワーカーとの連携促進のための,フィールドワーカー間の調査データ記録・公開・共有機能:本機能の基本機能群として,主に,研究実績の概要で述べたシステム(2)と(3)の実現を行った.また,フィールドワーカーの特徴メタデータ(調査プロジェクト,調査地,調査内容と期間等)をフィールドワーク実績に基づいて抽出するためのシステムを,クラウド・コンピューティング環境において実装中である. (C) クラウド環境におけるシステム実現:フィールドワークを支援するためのモバイル端末向けアプリケーション群,及びその事前・事後調査における調査・分析・検証に利用するためのPC端末向けのアプリケーション群を提供するクラウド・システムの実装と統合を行っている段階である. (D) 実証実験:平成27年度の実施に向けて,実証実験で利用する知識情報コンテンツ・データベースの整備はほぼ完了している.また,実験システムの構築については一部,上記(A)(B)(C)に関する開発を行っている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き,下記項目を実施していく予定である.
(1)自然環境調査に特化した知識情報を抽出するための方法論を示し,実装する. (2)他のフィールドワーカーとの連携促進のため,フィールドワーカー間の調査データ記録・公開・共有機能を実現する.また,調査対象への関心や着眼点等が類似した他のフィールドワーカーを抽出する方式を示し,実装する. (3)クラウド環境におけるシステム実現のため,機能群を実装する.さらに,基本モジュール群を統合し分散知識ベース機構をクラウド・コンピューティング環境上に構築する. (4)実証実験として自然環境調査を実施し,提案システムの有用性・有効性を検証する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額について,物品費やソフトウェア・ライセンス使用料の支払いが既に生じており,ほぼ残額がない状況である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究開発システムのデモ発表や実証実験の準備・実施のための人件費として,主に使用していく予定である.
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Research Products
(10 results)