2013 Fiscal Year Research-status Report
音楽の自動擬音語変換を用いたクラシック音楽用検索システムの開発
Project/Area Number |
25330140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 基之 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (30282015)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 擬音語歌唱 / 楽曲検索システム / 音程抽出 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度として,まず擬音語歌唱データベースの構築を行った。 比較的有名でなじみがあると思われるクラシック曲20曲を選定した。擬音語歌唱による検索を想定し,その中から代表的な部分(主題を演奏している部分等)を10秒~20秒程度切り出した。各曲から4ヶ所ずつ切り出したため,全80データとなった。 この曲データからひとりあたり10個程度を選び,歌唱者に聞かせた上で擬音語を用いて歌唱してもらった。男性32名,女性9名の合計41名に歌唱をしてもらい,全384データを収集した。その後,どのような擬音語を用いて歌唱していたか,すべての歌唱データについて書き起こしを行った。 また,これと平行して歌唱データからの高精度なメロディ情報抽出に関する研究も行った。以前研究代表者らが提案したスペクトル形状の相互相関関数から音程を求める方法を応用し,歌唱データから音程系列を高精度に抽出する方法を提案した。 実際にいくつかの歌唱データについて実験を行ったところ,特に男性による歌唱では想定される性能を出せていないことがわかった。その原因について詳細に検討したところ,音響分析に通常の高速フーリエ変換を使用しているため,周波数軸を対数変換すると低域での周波数分解能が相対的に低くなり,その結果相互相関関数の計算結果がこちらの意図した結果と異なるものとなってしまう,ということがわかった。そのため,音響分析の方法について検討する必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であった擬音語歌唱データベースの作成については,想定した規模での収録も終わり,また書き起こし作業についても予定どおり完了している。 一方メロディ情報の高精度抽出法の提案については,特に男性による歌唱に対して想定していた性能を出せないことがわかった。しかしその原因についてはすでに判明しており,対策法についても検討できているため,大きな遅れになっているわけではない。
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Strategy for Future Research Activity |
メロディ情報の抽出法については,低域での周波数分解能の低下が問題であるため,低域の分解能を上げるような分析方法(メルフィルタバンクによる分析等)を用いて,その性能を確かめる。 それ以外の部分については,当初の計画どおりすすめていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は大きな額ではなく,当初予算を使用した残額である。 当該年度は旅費が想定より多くなってしまったため,その分物品費を抑えて研究を行った。そこで次年度使用額は物品費に加算することで使用する。
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Research Products
(2 results)