2014 Fiscal Year Research-status Report
CGにおける流体シミュレーションの効率的なフロー制御手法の開発
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25330142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 崇 東京大学, 大学院情報学環, 准教授 (60312261)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流体シミュレーション / SPH / GPU / 曲面再構築 / Marching Cubes |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に関しては,効率的なフロー制御手法を液体シミュレーションへ適用すべく,特に,インタラクティブな処理のための,SPH (Smoothed-Particle Hydrodynamics) 流体の GPU を利用した高速な液体表面形状生成手法を開発した. この中で,もっとも大きな貢献としては,SPH 流体のための適応的な GPU 上での曲面再構築アルゴリズムを開発したことである.このような流体シミュレーションの表面を構築する主な手法として,流体の密度場に対して距離場を計算し,その距離場の等値面を抽出する方法が一般的である.しかし,詳細な表面形状を作成するには,距離場の格子を細かくとる必要があり,そのため表示速度がかかるためインタラクティブ処理におけるボトルネックの一つとなっていた. まず,距離場を生成するグリッドとして,疎密に応じて3段階レベルの格子グリッドを用意する.3段階のどのレベルの格子を使うかは,各格子でのSPH粒子の密度や速度から決定する.次に,各レベルの格子から Marching Cubes 法を用いて面を生成する.ここでの問題は,隣接する格子のレベルが異なると,その境界の箇所で穴が開いてしまうことである.この問題を回避するために,ここではあらかじめ異なるレベル間でできる穴を埋めるためのパターンを定義しておき,その場でパターンマッチングを行う.これら一連の処理は,GPU を用いて効率に行うことができる. これらの手法を実際にいくつかの流体シミュレーションに適用し,シミュレーションの計算を含む一連の処理をすべてGPU の中で行い,インタラクティブ処理が行えるほどの計算時間で表示が行えることを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の達成度の箇所で議論した計算速度に関する問題に対処すべく,当該年度の研究では,計算速度の改良に関する研究を行い,一定のめどは立ったと考える.しかし,計算速度については,モデルの解像度に依存するところが大きいと言える.結局は解像度を低くすれば計算速度は速くなるが,それだとモデルの詳細度が失われてしまう,という別の問題点が存在することがわかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後については,上記にも述べたとおり,流体シミュレーションの計算速度を抑えるために,計算は低解像度で行い,それに高解像度の形状を付加することで,より品質を高めるための方法について検討する.このような手法はエンハンスメントと呼ばれるが,特にある現象に特化したエンハンスメントの手法や,学習を利用したエンハンスメント手法の開発について取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
少額が残り,次年度に合わせて使用することにしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の交付金とあわせて旅費または物品費の一部として使用する.
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Research Products
(5 results)