2015 Fiscal Year Annual Research Report
CGにおける流体シミュレーションの効率的なフロー制御手法の開発
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25330142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 崇 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (60312261)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流体シミュレーション / 高精細化 / Wavelet Turbulence / Kolmogorov 法則 / エネルギーカスケード |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度については,流体シミュレーションの計算速度を抑えるために,計算は低解像度で行い,それに高解像度の形状を付加することで,より品質を高めるための手法について検討した.このような手法は,エンハンスメント,もしくは,高精細化と呼ばれるものである.例えば,Kim らの提案した Wavelet Turbulence では,Kolmogorov の理論を基にノイズを重み付けして速度場に加えている.しかし,従来の高精細化の手法では,物理的特性が十分に考慮されておらず,結果としてノイズ感の強い見た目となってしまうことが,過去の文献によって指摘されている.また,低解像度下で使われる,数値拡散を補完するために強制的に渦を発生させる手法にも,同様にノイズ感という問題があった. このノイズ感を緩和するために,従来の手法を改良した.ここでは,煙アニメーションの高精細化において従来の手法の問題点であったノイズ感を緩和するために,今まで考慮されていなかった物理的特性を考慮した.具体的には,低解像度シミュレーションによって運動エネルギーの周波数比を計算し,これを基に高精細化のためのノイズや外力を付加することで,既存手法よりも乱流の性質を考慮した結果が得られる.またこの手法は1 つのパラメータを調整することで加える詳細の量を調整することができるため,流体アニメーションのデザインを簡易化につながる.また,エネルギーカスケードの評価基準の提案については既存の高精細化や詳細付加の様々な手法に組み込むことができ,実装も容易に行える,という利点も持つ.本手法により,従来手法で見られた一様に細かい渦が乗っているようなノイズ感が軽減されることが期待される.
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Research Products
(3 results)