2014 Fiscal Year Research-status Report
自動的および随意的運動リズム制御の神経メカニズムの解明
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25330170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮地 重弘 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (60392354)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 運動リズム / マカクサル |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ヒトを対象にした実験 単純な動作を繰り返し行っている間に意図せずにリズムに「乗る」メカニズムを明らかにする研究の一環として、17名の健常成人を対象に行動実験を行った。用いた課題は、いわゆる連続反応時間課題であり、ブザー音とともにパソコンの画面上に視覚刺激が繰り返し提示される。被験者には、すべての刺激に応答して、できるだけ早くボタンを押すことが求められる。刺激は1試行あたり11回提示される。従って、刺激間隔は10回である。16試行を1ブロックとし、ブロックごとに異なる組み合わせの3つの刺激間隔を用いた。すなわち、600, 900, 1200ミリ秒、600, 900, 1500ミリ秒、および900, 1200, 1500ミリ秒の3組である。被験者には、3つの間隔がランダムに入り混じっていると伝えたが、実際には、多くの試行で900ミリ秒の間隔が2回、3回、ないし4回連続するようにした。このような条件において、900ミリ秒間隔の一定のリズムに「乗る」ことによるボタン押し反応時間の変化を解析した。その結果、900ミリ秒の間隔が連続すると、反応時間が有意に短くなることがわかった。また、900ミリ秒の間隔が複数回連続した直後により長い(1200および1500ミリ秒の)間隔があらわれた場合、単発の900ミリ秒のあとに1200、1500ミリ秒の間隔が続く場合よりも、反応時間が有意に長くなった。この効果の程度は、5年以上にわたって楽器のトレーニングを受けた経験のある人(音楽経験者)とそのような経験のない人(音楽未経験者)で異なっていた。
2)サルを対象にした実験 上記のヒトを対象とした実験と同様の行動課題をサルに訓練するため、連続ボタン押し課題を訓練した。サルは1試行あたり6回のボタン押しを連続で行う課題をマスターした。現在、行動データを収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用したサルの性質にあわせた装置の改良、およびサルの行動訓練に予想以上に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
神経伝達物質阻害薬の効果を速やかに確認するため、当初予定していた脳内微量注入実験の前に、薬物の全身投与を行い、脳内に注入する薬物を絞り込むこととする。
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Causes of Carryover |
動物実験に遅れが生じたため、実験用消耗品の購入が予定より少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在使用している個体と平行して追加の個体の実験も行い、そのための消耗品の購入に充てる。
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