2014 Fiscal Year Research-status Report
発話音声から疲労度を検出する音声セグメントに基づく疲労度評価法の開発
Project/Area Number |
25330172
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
松浦 博 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (60451085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秀島 雅之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (50218723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 疲労度評価 / 音声セグメント / 音声 / ストレス / 基本周波数 / 継続時間 / 加速度脈波 / 唾液アミラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
音声セグメント技術を用いた発話評価システムVoiceAnalyzerを用いて、疲労が加わったときに発話音声がどのように変化するかを調査した。本研究では音声セグメントラベルのほかに、基本周波数、音声部分の継続時間長をパラメータとして用いた。疲労音声収集実験の被験者は16名であり、18歳から24歳までの男女学生であった。本実験では被験者にストレスを与えて疲労させ、疲労する前と後で音声データと疲労度指標データを収集した。疲労度の指標として、自覚症しらべ、加速度脈波、フリッカー値、唾液アミラーゼ活性を測定した。ストレスの内容は、四則演算を一定時間解き続ける、車の運転を一定時間続ける、筋力トレーニングなどの無酸素運動、持久走などの有酸素運動の4 種類の異なるストレッサーである。 自覚のある疲労感が増大した時、発話「あー」において、発話の中に掠れた音が混じりやすくなる傾向にあることが分った。また、加速度脈波によって推定された慢性疲労の増加時には、音声セグメントラベルに「A」が含まれるラベルが増加することが分った。 さらに、発話「おー」に関しては、基本周波数の中央値と自覚症しらべのⅡ群(不安定感)に特に強い負の相関があった。慢性疲労時には「お」の発話しにくくなる傾向があり、瞬間的な疲労が増大した時に「A*」の減少がみられた。発話「スタート」においては、脳疲労時には音声の継続時間長の延伸、基本周波数の上昇がみられた。最初の「ス」のパワーが弱く、すぐに「タ」の発音に移り、「ト」の発話に移行する際には時間がかかる傾向にあることが分った。慢性疲労時には「ト」の発話が短くなる傾向も示唆された。 本研究は静岡県立大学平成26年度研究倫理審査の承認(受付番号26-31「発話音声から疲労度を検出する音声セグメントに基づく疲労度評価法の開発」)の承認を受けて実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・音声データの収集は10名以上を目指していたが、16名を達成した。 ・音声の平均パワーは、マイクロホンとの距離や周囲環境によって変動する恐れがあるため、当初計画していたパラメータから除いたが、音声セグメントラベル、基本周波数、継続時間長を予定通りパラメータとして用いた。 ・疲労度評価システムについては、スマートホンからインターネット経由でメールに添付して送った音声をサーバで処理し、メールのコメントによって回答するシステム構成について開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた結果を元に、疲労度評価の評価指標、評価するデータの収集の条件を絞り込んで実用化に近づける予定である。
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Causes of Carryover |
予定通り執行する予定であったが、わずかな端数が手違いで発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品の購入に当てる予定である。
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Research Products
(5 results)