2015 Fiscal Year Research-status Report
3次元移動物体を対象とした実時間分光イメージングシステムの構築と応用展開
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25330184
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀内 隆彦 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 教授 (30272181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 昌二 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 研究員 (10103342)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分光画像 / 画像計測 / 画像再現 / 反射率推定 / 形状推定 / リライティング / 実時間処理 / 3次元画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度終了時に立てた以下の4項目について研究を実施した。 【1.距離情報の同時獲得の構築】 前年度までKinectを用いて距離情報の獲得を試みたが、本研究の要求精度を満たすことができなかった。そこで、パターン光投影を用いることによって、この問題点を解決した。具体的には、9枚の分光反射率計測用光源に加えて、8枚の距離情報獲得用グレイコードパターンの合計17枚を投影することによって、分光反射率と形状情報の同時獲得を実現した。積み木を用いた実験によって、やや要求精度には及ばないものの、昨年度までの結果と比較して、大幅に精度改善されていることが確認できた。 【2.三次元形状を有する物体への拡張】 3次元計測のためのキャリブレーションシステムを構築した後に、1.によって獲得したデータを用いてメッシュ化を行い、PBRTを用いて分光レンダリングを行った。前年度まで平面物体で実現していた分光反射率推定およびリライティング処理の有効性を、種々の3次元形状を有する積み木に対する実験によって検証した。 【3.指向性ある光源への拡張】前年度までは平行光源のみを仮定して処理していた。本年度は、指向性ある光源に対する処理へ拡張することによって、3次元形状物体のシャドー部分など、リアリティのあるレンダリングを実現した。 【4.処理時間の改善】30fpsの実時間処理を目指して取り組んだが、今年度は2fpsにとどまった。これは、照射光源に17枚を要していることと、十分な並列処理を行えていないことが原因となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画はほぼ実現でき、成果は国際会議において採択された。処理時間については、目標を未達成のため、次年度以降の重点課題とした。
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Strategy for Future Research Activity |
【1.演算時間の軽減】 30fpsの処理時間を目指して、アルゴリズムおよびハードウェアの両面から解決を図る。具体的には、17枚の投影枚数を、スパースコーディングなどの理論を用いて削減する。また、並列処理を導入する。 【2.精度改善】 分光反射率および形状の推定精度の改善を図る。 【3.3次元移動物体への展開】 前年度、平面物体から3次元物体へ展開したが、静止物体のみを対象としていた。本年度は移動物体も対象とする。このとき、照射中に移動した場合に、境界部分で誤差が生じることが容易に想像できる。そこで、オプティカルフロー処理などを導入して、解決策を図る。
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