2013 Fiscal Year Research-status Report
屋内環境における集団行動解析のための時空間データマイニング
Project/Area Number |
25330186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
川本 一彦 千葉大学, 統合情報センター, 准教授 (30345376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 一志 千葉大学, アカデミック・リンク・センター, 特任助教 (10615032)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自己位置推定 / 行動認識 / グラフマイニング |
Research Abstract |
本年度では,屋内環境における人物行動解析に対する要素技術として,おもに,1)カメラベースの自己位置推定の高速化,2)一人称視点カメラと慣性センサの組み合わせによる行動認識,そして3)グラフ表現に基づく空間配置のクラスタリングに取り組んだ.まず,1)では自己位置推定のために環境の3次元マップ構築している.この構築には高い計算コストがかかるため,カメラ運動に拘束条件を課し,推定パラメータ数を減らすアプローチで高速化に取り組んだ.数値実験では従来の7.5倍の高速化を実現している.並行して,自己位置推定の高速化と精度向上に向けて,屋内画像の領域分割・認識システムを開発した.教師無し学習では60%程度の認識率であったが,教師有り学習では80%程度に向上することを示した.次に,2)では「本を読む」「PCを使う」「ペンで書く」の3つの基本行動と「本を見ながらPCで検索する」というような併用行動に対して認識システムを構築した.カメラあるいは慣性センサを単独で用いたときの平均認識率はそれぞれ42.4%と54.4%であったが,それらを組み合わせることで78.9%に向上することを示した.そして,3)では,屋内環境を俯瞰的に撮影するカメラを用いて集団行動を解析するために,人物の着席配置に基づくクラスタリング法を提案している.提案手法では,着席配置は,その絶対的な位置よりも相対的な位置関係のほうが重要であると考え,着席位置の位相構造に着目し,グラフ表現を導入した.着席配置を表現するグラフに対してグラフマイニング手法を適用し,ある時間区間内に似たような着席配置が発生しているかどうかを自動的に発見するアルゴリズムを実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では,人物行動解析のための要素技術の開発に焦点をあて,おもに3つの課題を並行して進め,それぞれのプロトタイプを開発し,さらに対外的にも発表している.よって,おおむねに順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに開発したプロトタイプシステムをベースにより大規模なデータが扱えるように改善を図りつつ,実際に収集したデータに対して検証を進める予定である.データ収集に関してはすでに進めている.また,人物行動のシミュレーションモデルを実際のデータから構築する方法に取り組む予定である.
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